丹沢山地(読み)たんざわさんち

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

丹沢山地
たんざわさんち

神奈川県北西部から山梨県南東部にかけて広がる山地。北は桂川の谷で秩父山地と区切られ,東は相模川の沖積地,南は秦野盆地酒匂川(さかわがわ)の谷に接し,西は富士山の裾野へと続く。主峰群は南東部にあって,塔ヶ岳(1491m),丹沢山(1567m),蛭ヶ岳(1673m),檜洞丸(ひのきぼらまる。1601m)などの峰が連なる。稜線一帯には霧がかかりやすく,南東端の大山相模平野からの山容と相まって,古くから雨乞いの信仰を集めた。北西部は道志川を挟んで北東-南西方向の 2本の山嶺があり,最高峰の御正体山(みしょうたいやま。1681m)がある。新第三紀の褶曲運動によって生じ,塊状山体が集合していて,谷は深く,壮年期の地形の特色を示す。断層が発達しており,1923年の関東大震災による山崩れによって,沢筋には滝とがれ場が多い。自然の動植物が比較的よく保存されており,主要部は丹沢大山国定公園に属する。

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百科事典マイペディアの解説

丹沢山地【たんざわさんち】

神奈川県西部から山梨県にまたがる地塊山地。関東山地の南部地域で,北は桂川断層谷で秩父山地に接する。第三系の御坂層と変成岩類,これに貫入する石英セン岩を主体とし,断層が多く,関東大地震の際の山崩れ跡も多い。蛭ヶ岳(ひるがたけ)(最高峰,1673m),丹沢山(1567m),塔ヶ岳(1491m)が主峰。丹沢大山国定公園に属している。丹沢山は日本百名山にも選ばれている。
→関連項目愛川[町]厚木[市]伊勢原[市]神奈川[県]関東山地秦野[市]山北[町]

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世界大百科事典 第2版の解説

たんざわさんち【丹沢山地】

関東地方南西部,神奈川・山梨両県にまたがる山地。丹沢山塊ともいう。東西約40km,南北約30km。広義には関東山地に含まれるが,相模川とその上流桂川の谷によって関東山地本体と区別される。最高峰は蛭ヶ岳(ひるがたけ)(1673m)。ほぼ南縁を小田急線,国鉄御殿場線が通じ,南西部は酒匂(さかわ)川によって箱根山と隔てられ,西部は富士山のすそ野に接する。山体は第三紀中新統の安山岩および玄武岩からなり,山地中央には石英セン緑岩が東西に長く貫入している。

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大辞林 第三版の解説

たんざわさんち【丹沢山地】

神奈川県北西部を中心に、静岡・山梨の一部にまたがる壮年期の山地。蛭ヶ岳ひるがだけ(1673メートル)を最高峰とし、大山おおやま・塔ヶ岳・丹沢山・檜洞丸ひのきぼらまるなどが主峰群を形成する。丹沢山塊。

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日本の地名がわかる事典の解説

〔神奈川県(山梨県・静岡県)〕丹沢山地(たんざわさんち)


神奈川県北西部から山梨・静岡県境に広がる山地。関東山地の南部をなす。東西約40km、南北約30km。蛭ヶ(ひるが)岳(標高1673m)を最高点とし、丹沢山(同1567m)・大(おお)山(同1252m)などの高峰が連なる。断層性の地塊で谷が深く、地盤も脆くて関東大震災では各所で地滑り・山崩れが発生した。京浜地方に近く、沢登りなどの登山者が多い。丹沢大山国定公園に指定されている。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

丹沢山地
たんざわさんち

神奈川県の北西部にある山地。広い意味では関東山地に含まれるが、一般には独立した山地とされ、丹沢山塊ともよばれる。桂(かつら)川(相模(さがみ)川の上流)によって関東山地の主部と区分され、東側は相模川、南側は小田急電鉄線とJR御殿場(ごてんば)線でくぎられ、西は山中湖の南に及んでいる。東西約40キロメートル、南北約30キロメートルにわたる。最高の蛭(ひる)ヶ岳は1673メートル。地質時代第三紀の大きな隆起運動に伴ってできた褶曲(しゅうきょく)山地で、複雑な断層を伴い、関東大震災には多くの地すべりや崖崩(がけくず)れをおこした。
 ほぼ600メートルの等高線を境として、その内側と外側では地形が著しく異なっている。内側は急峻(きゅうしゅん)で山地の本体をなし、その中央に蛭ヶ岳、丹沢山(1567メートル)、塔ヶ岳(とうがたけ)(1491メートル)、大山(おおやま)(1252メートル)などの主峰群がある。これらの主峰から800~1000メートルにわたる稜線(りょうせん)部には、丸みをもった広い平坦(へいたん)面が発達している。しかし、谷は急斜面で深く、滝が多く、岩石の崩れも多い。700~800メートル以上は、ブナ、ミズナラ、ヒメシャラなどの高木を主とした広葉樹林が発達している。そして北西の檜洞丸(ひのきぼらまる)(1601メートル)から中央部の諸峰、大山にかけた主峰群の稜線一帯は霧の多い多湿環境で、オオモミジガサやブナが群生していてすばらしい景観をなしている。また、大山や塔ヶ岳は古くから神体山として崇(あが)められ、稜線、中腹、山麓(さんろく)の諸所に山岳信仰関係の遺跡が少なくない。外側は400~500メートルの低山で、本体を取り巻く前山をなしている。それはさらに東部の中津山地、北部の道志(どうし)山地、南西の足柄(あしがら)山地に分けられ、ことに中津山地は南北方向の並行断層で、東方へ階段状に低下しており、階段断層地形の好例をなしている。これらには人工のスギ・ヒノキ林が広いが、天然のヤマボウシやブナ林も残っている。
 丹沢山地はまた、シカ、イノシシ、ニホンザル、ニホンカモシカをはじめ、多くの鳥類やチョウ類そのほか昆虫類の生息が多い。山地の主要部は丹沢大山(おおやま)国定公園に、また西辺は県立丹沢大山自然公園に指定されている。[浅香幸雄]

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