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山椒大夫

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

山椒大夫
さんしょうだゆう

森鴎外(おうがい)の短編小説。1915年(大正4)1月『中央公論』に発表。歴史小説の一つ。人買いにさらわれて丹後(たんご)の山椒大夫に売り渡された安寿(あんじゅ)は、同じ運命の弟厨子王(ずしおう)を逃がして、投身自殺する。やがて、丹後の国守となって戻った厨子王は、人身売買を禁じ、さらに佐渡に渡って、売られた母を探し出す。山荘太夫伝説に基づきつつ、残酷な部分や信心譚(たん)的部分は和らげ、姉の献身に重点を置いて、美しい物語に仕立てられている。古い倫理を詩情のうちに再生させた名品である。[磯貝英夫]
『『山椒大夫・高瀬舟 他四編』(岩波文庫)』

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について | 情報 凡例

世界大百科事典内の山椒大夫の言及

【散所】より

… 散所が研究の対象として浮かび上がったのは大正期に入ってからで,被差別部落の起源・沿革を学問的に明らかにする必要性が当時の社会においてつよく求められだしたためである。その契機をなしたのは,1915年の森鷗外作《山椒大夫(さんしようだゆう)》であり,安寿(あんじゆ)と厨子王(ずしおう)の物語として古くから人々に親しまれてきた素材を用いたこの小説は,散所を主要な舞台としていた。また同年,民俗学者の柳田国男が《山荘太夫考(さんしようだゆうこう)》を発表して,散所の芸能民について述べたのも,歴史的関心をたかめる一助となったとみられる。…

※「山椒大夫」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について | 情報

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