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山王神道 さんのうしんとう

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世界大百科事典 第2版の解説

さんのうしんとう【山王神道】

山王とは近江の日吉(ひよし)大社のこと。大宮(大比叡,本地釈迦如来),二宮(小比叡,本地薬師如来)を山王両明神,聖真子(本地阿弥陀如来)を加えて山王三所または三聖といい,さらに八王子(本地千手観音),客人(本地十一面観音),十禅師(本地地蔵菩薩),三宮(本地普賢菩薩)を加えて上七社となし,さらに本地垂迹(ほんじすいじやく)説によってしだいに数を増し中七社,下七社を加えて〈山王二十一社〉と称した。山王の号は《二十二社註式》に〈山王号之事,第五十二代嵯峨天皇弘仁十年,始崇敬之〉と見える。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

山王神道
さんのうしんとう

神仏習合思想に基づいて発想し生じた中世の仏教神道(理論神道)の一つで、日吉山王権現(ひえさんのうごんげん)と天台教義の理論的な習合を説くものである。山王一実(さんのういちじつ)神道、一実神道、日吉神道または天台神道ともいう。論理の基本は、天台における三諦即一(さんたいそくいつ)の教理をもって、社寺双方の習合思想を解明しようとするもので、どの文献をみても今日からすれば牽強付会(けんきょうふかい)の思考傾向が強い。まずその基本は、山と王の2字を三諦即一で解釈することから始まる。すなわち、山は縦が3本に横が1本、王は横が3本に縦1本の字画から成り立っており、それは天台教義の三諦即一、一念三千の思想に通ずるとする。その思想はすでに鎌倉後期(14世紀ごろ)の文献『元亨釈書(げんこうしゃくしょ)』にみえそめるが、室町時代には山王二十一社あるいは山王百八社などを運心(うんじん)巡礼する天台の行門(ぎょうもん)的な思想と行動にも発展し、これを山王秘密社参とよんだ。中世までの基礎的な文献は叡山(えいざん)文庫の山王神道雑々二十三冊を基本とすべきである。1571年(元亀2)織田信長の延暦寺(えんりゃくじ)焼打ちののちは社頭の再建とともに祝部行丸(はふりべゆきまる)、行広(ゆきひろ)らによって復興されたが、近世に入ると天海(てんかい)はこの思想に基づいて独自の一実神道を提唱した。そして東照宮の祭儀はその思想に基づいて行われるようになり、東照大権現(だいごんげん)号宣下といったような政治的な権門行動にもつながるに至った。[景山春樹]

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世界大百科事典内の山王神道の言及

【神道】より

…日本では,平安時代に入って神仏習合がさかんになり,元来明確な神格を持たなかった神々も,仏・菩薩に対比して神としての性格を論じられるようになり,素朴な儀礼も荘厳なものに発展した。中でも密教の教説による習合がさかんになり,両部神道(りようぶしんとう)と呼ばれる神道説の流れが形成され,真言系の両部神道に対抗して,天台系の山王神道が唱えられたりした。律令制度のもとで手厚い保護を受けていた古来の神社は,中世に入るころから神領を侵され,仏教が庶民の間に浸透しはじめると,強い危機感を持つようになった。…

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