日吉大社(読み)ひよしたいしゃ

  • ひえたいしゃ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

滋賀県大津市坂本に鎮座する元官幣大社(→官幣社)。近江国一の宮。日吉山王山王権現山王二十一社ともいう。全国 3800あまりの日吉山王社の総本宮。東本宮に,『古事記』にも登場する山の神のオオヤマクイノカミ(大山咋神),西本宮に,大和国から琵琶湖上のに現れて現在地に鎮座したと伝えられるオオナムチノカミ(大己貴神)をまつる。例祭は 4月14日で,日吉大社山王祭として知られる。東西本宮の各本殿国宝建造物。

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デジタル大辞泉の解説

滋賀県大津市にある神社。旧官幣大社祭神は東本宮に大山咋神(おおやまくいのかみ)、西本宮に大己貴神(おおなむちのかみ)。全国日枝(日吉)(ひえ)神社の総本社。当社を中心に日吉神道(山王一実(いちじつ)神道)が発生。東・西本宮本殿は国宝。4月14日の山王祭は有名。ひえ大社。日吉山王。山王権現。

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百科事典マイペディアの解説

滋賀県大津市坂本に鎮座。古くは〈ひえ〉ともいい,日枝とも書いた。旧官幣大社。東本宮にまつる大山咋(おおやまくい)命を主祭神とし,西本宮の大己貴(おおなむち)神を合祭する。古来,山王,山王権現などと称し,全国の日吉(日枝)神社の総本社。祭神は比叡山の地主神で,崇神天皇の時の創建と伝える。延喜式内の名神大社で,延暦寺の鎮護社として,盛衰をともにした。ことに後三条天皇以後,歴代天皇の行幸があり,大臣・将軍をはじめ一般庶民の参籠(さんろう)も多く,これらを背景に延暦寺の僧徒は,神輿(みこし)をかついで朝廷強訴(ごうそ)した。1571年社殿は織田信長によって焼かれ,現存のものは1586年以後の再建。国宝の東西両本宮は典型的な日吉造で,鳥居は赤く山王鳥居といい,上に破風(はふ)をもつ。4月の例祭は古来,山王祭として有名。国指定史跡の境内には諸拝殿や楼門,日吉三橋などがあり,七基の神輿などとともに重要文化財。→山王信仰山王一実神道
→関連項目愛智荘坂本田仲荘琵琶湖国定公園

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デジタル大辞泉プラスの解説

△滋賀県大津市▽にある神社。「ひえたいしゃ」とも「ひよしたいしゃ」とも読む。全国の日吉(日枝、山王)神社の総本社で、山王総本宮日吉大社ともする。祭神は大山咋神(おおやまくいのかみ)(東本宮)、大己貴神(おおなむちのかみ)(西本宮)。東西本宮の本殿(国宝)など、文化財多数。別称「山王権現」。

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世界大百科事典 第2版の解説

滋賀県大津市坂本に鎮座。正式には山王総本宮日吉大社と称し,旧官幣大社で現在は別表神社。全国の日吉(枝)(ひえ)社約3800余社の総本社。日吉(ひえ)社とか山王権現ともよばれる。比叡山の東の尾根にある牛尾山(小比叡峰または八王子山)の大山咋(おおやまくい)神(別名を山末之大主(やますえのおおぬし)神)が最初にまつられた地主神で,のち668年(天智7)に三輪の大己貴(おおなむち)神を比叡の山口請して大比叡神とし,大宮とよばれて西本宮にまつられ,大山咋神は小比叡神とされて東本宮にまつられた。

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大辞林 第三版の解説

滋賀県大津市にある神社。近江国の一の宮。東本宮に大山咋おおやまくい大神を、西本宮に大己貴おおなむち大神をまつる。二十二社の一つとして朝廷の崇敬が厚く、また天台宗の護法神としても尊崇された。例祭日吉祭は4月14日。日吉ひえ・ひよし神社。山王権現。

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精選版 日本国語大辞典の解説

(旧称「ひえたいしゃ」) 滋賀県大津市坂本にある神社。旧官幣大社。祭神は大山咋神(おおやまくいのかみ)(東本宮)、大己貴大神(おおなむちのかみ)(西本宮)。東本宮は崇神天皇七年に勅命により大山咋神を山上にまつったのに始まり、西本宮は天智天皇七年(六六八)に勅命により大物主神(おおものぬしのかみ)を山口にまつったのが始まりと伝えられる。延暦四年(七八五)最澄が延暦寺を創立してのち、天台宗の守護神として日吉山王、山王権現とも呼ばれた。摂社・末社が多く、日吉山王二十一社と総称する。中世、神輿振(みこしぶり)で世を騒がせた。日吉(ひえ)神道の本源地。近江国の一の宮。日吉(ひよし)神社。

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世界大百科事典内の日吉大社の言及

【坂本】より

…およそ現在の滋賀県大津市坂本本町,下阪本,唐崎,比叡辻にあたり,古代は近江国滋賀郡大友郷に含まれる。延暦寺創建以前より大山咋(おおやまくい)命と大己貴(おおなむち)命を合祀する日吉社(日吉大社)の鎮座地であったが,良源が18代天台座主に就任する平安中期以降,延暦寺=山門の勢力拡大にともないその膝下領域としての重要性を増していった。中世には日吉社から東にのびる日吉馬場を主要道路としてその周囲に寺家,社家,日吉社彼岸所,生源寺,里房(さとぼう)などの山門支配機関が立ち並び,全国的規模で形成された山門領荘園を管理する中心地として,また山上への物資補給基地として多数の僧俗が居住することになった。…

【山王信仰】より

…比叡山のふもと,滋賀県大津市に鎮座する日吉(ひよし)大社に対する信仰。この日吉大社は山王権現とも称された。…

【山王曼荼羅】より

…大津市坂本にある日吉山王社(日吉(ひよし)大社)の神仏や社殿を描いた垂迹(すいじやく)曼荼羅。山王社は神体山である八王子山を背に,東大宮三社と西大宮四社の上七社を中心に成立したが,延暦寺の鎮守として信仰されたため,つねに叡山の影響下で繁栄していた。山王曼荼羅はこのような叡山の宗教社会の中で要請され,山下の里坊や山王六講などの講で鎮守本尊として礼拝された。春日や熊野と同じように,本地仏を描いたもの,垂迹神を示したもの,神体山を背にした社景や個々の社殿に重点を置いたものなど,その形式はさまざまである。…

【神社建築】より

…外形はこの平面をそのまま立体化した形式であって,正面から見ると入母屋造のようであるが背面では軒を途中で切り落としたような姿をもつ。これを日吉造といい,滋賀県の日吉大社にのみ固有の形式である。
[その他の本殿形式]
 以上のほか,本殿の前に礼堂を付加してあたかも仏堂のような形態とする京都の八坂神社本殿の八坂造(図8),本殿,石の間,拝殿を連結した京都北野天満宮の権現造(八棟(やつむね)造ともいう。…

【神木】より

…松,杉,ヒノキなどの常緑樹が一般的だが,神社によって特定の神木がある。有名なものに,京都の伏見稲荷大社や奈良の大神神社の験(しるし)の杉,福岡の香椎宮の綾杉,太宰府天満宮の梅,北野天満宮の一夜松(ひとよまつ),滋賀の日吉大社の桂,熊野大社,伊豆山神社の梛(なぎ),新潟の弥彦神社の椎などがある。奈良春日大社の神木(榊に神鏡を斎(いわ)いつけたもの)は中世に何度か興福寺の衆徒が春日大明神の御正体と称して担ぎ出し,朝廷に強訴(ごうそ)する手段とされた。…

【比叡山】より

…山内は三塔(東塔,西塔,横川)に分かれ,さらに16谷と2別所に区分されて,それぞれ教学や修法を競った(図)。山下の東坂本(大津市坂本)には一山の護法神として日吉大社があり,政所や里坊がおかれて山上生活を支え,京都側の西坂本(修学院付近)や八瀬なども基地として諸院や下級の奉仕者集団が存在した。11世紀後半から中世を通じ,比叡山はその霊威と財力と武力により強大な支配力を誇った。…

【日吉祭】より

…滋賀県大津市坂本に鎮座する日吉(ひよし)大社で,4月14日を中心に行う祭り。山王祭ともいった。…

※「日吉大社」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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