山田風太郎(読み)ヤマダフウタロウ

デジタル大辞泉 「山田風太郎」の意味・読み・例文・類語

やまだ‐ふうたろう〔‐フウタラウ〕【山田風太郎】

[1922~2001]小説家兵庫の生まれ。本名誠也せいや。「眼中の悪魔」「太陽黒点」など多くの推理小説執筆。のち「甲賀忍法帖こうがにんぽうちょう」を皮切りに多数の忍法小説を発表し、忍法ブームを起こした。他に「魔界転生」「警視庁草紙」など。平成13年(2001)功績により日本ミステリー文学大賞受賞。

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20世紀日本人名事典 「山田風太郎」の解説

山田 風太郎
ヤマダ フウタロウ

昭和・平成期の小説家



生年
大正11(1922)年1月4日

没年
平成13(2001)年7月28日

出生地
兵庫県養父郡関宮町

本名
山田 誠也

学歴〔年〕
東京医科大学〔昭和24年〕卒

主な受賞名〔年〕
宝石」懸賞小説(第1回)〔昭和21年〕「達磨峠の殺人」,日本探偵作家クラブ賞(短篇賞 第2回)〔昭和24年〕「眼中悪魔」「虚像淫楽」,菊池寛賞(第45回)〔平成9年〕,日本ミステリー文学大賞(第4回)〔平成12年〕

経歴
幼くして父母を失い、親戚の間を転々とする少年時代を送る。昭和17年家出同然に上京軍需工場で働き、19年東京医科大学に入学。大学在学中の21年「達磨峠の殺人」が「宝石」の懸賞小説に入選して、推理作家としてデビュー。24年「眼中の悪魔」「虚像淫楽」で探偵作家クラブ賞を受け、作家の道へ進む。山村正夫高木彬光らと共に本格推理ブームを生み、33〜34年「甲賀忍法帖」を発表して忍法ブームを起こした。以後、「くノ一忍法帖」「柳生忍法帖」「魔界転生」など次々と発表。40年代後半からは明治時代初期を扱った開化物に転じ、この時期の代表作に「警視庁草紙」「幻燈辻馬車」「明治断頭台」がある。他に「戦中派虫けら日記」「戦中派不戦日記」「同日同刻」「人間臨終図巻」「風眼抄」「八犬伝」や、「山田風太郎忍法全集」(全15巻 講談社)、「山田風太郎明治小説全集」(全14巻 筑摩書房)、「山田風太郎全集」(全16巻 講談社)などがある。没後の平成14年「戦中派焼け跡日記」が刊行された。15年郷里の関宮町に山田風太郎記念館が開館した。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「山田風太郎」の意味・わかりやすい解説

山田風太郎
やまだふうたろう
(1922―2001)

小説家。本名誠也(せいや)。兵庫県生まれ。東京医科大学在学中に推理小説の処女作『達磨(だるま)峠の殺人』(1947)を発表して作家生活に入る。翌年『眼中の悪魔』と『虚像淫楽(いんらく)』を書いて探偵作家クラブ賞を受賞。特異な作風の推理作家として注目されたが、1958年(昭和33)から時代小説に転じ、とくに『甲賀忍法帖(こうがにんぽうちょう)』を皮切りにおびただしい数の、長短の忍法小説を書き、着想の妙と奇抜なプロットの展開によって伝奇小説の第一人者となる。『魔界転生(てんしょう)』はその代表作(初出の題名は『おぼろ忍法帖』)。74年ごろからは幕末から文明開化期に取材し、『警視庁草紙』や『幻燈辻馬車(げんとうつじばしゃ)』などの作品がある。

[厚木 淳]

『『甲賀忍法帖』(角川文庫)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「山田風太郎」の意味・わかりやすい解説

山田風太郎
やまだふうたろう

[生]1922.1.4. 兵庫
[没]2001.7.28. 東京
小説家。医者の家に生れ,東京医科大学を卒業したものの,在学中から小説を書きはじめ,1947年,推理小説専門誌『宝石』の第1回懸賞小説に『達磨峠の事件』で入選を果した。以後,個性的な推理小説を次々に発表,49年には『眼中の悪魔』『虚像淫楽』で探偵作家クラブ賞を受賞した。 58年から雑誌『面白倶楽部』に1年間連載した『甲賀忍法帖』がヒットし,以後『くノ一忍法帖』『江戸忍法帖』など一連の忍法小説で一大ブームを巻起した。ほかにも『戦中派不戦日記』 (1971) ,『警視庁草紙』 (75) ,さらに近年では『婆娑羅』 (90) などがある。

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百科事典マイペディア 「山田風太郎」の意味・わかりやすい解説

山田風太郎【やまだふうたろう】

小説家。本名誠也。兵庫県生れ。東京医大卒。初め推理作家として認められ,《眼中の悪魔》(1948年)などにより,探偵作家クラブ賞受賞。その後,伝奇的時代小説の分野でも活躍。わけても,いわゆる風太郎忍法を創出した《甲賀忍法帖》など一連の作品で,昭和30年代に忍法ブームを起こす。他に明治開化物の《警視庁草紙》《明治波濤歌》などがあり,《戦中派不戦日記》など小説作品以外でも広く注目された。
→関連項目宝石

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「山田風太郎」の解説

山田風太郎 やまだ-ふうたろう

1922-2001 昭和後期-平成時代の小説家。
大正11年1月4日生まれ。昭和24年「眼中の悪魔」などで日本探偵作家クラブ賞。33-34年の「甲賀忍法帖」を皮切りにおおくの忍法小説をかき,忍法ブームをおこす。ほかに明治開化ものの「警視庁草紙」や「戦中派不戦日記」「人間臨終図巻」など。平成13年7月28日死去79歳。兵庫県出身。東京医大卒。本名は誠也。

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367日誕生日大事典 「山田風太郎」の解説

山田 風太郎 (やまだ ふうたろう)

生年月日:1922年1月4日
昭和時代;平成時代の小説家
2001年没

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