岩のドーム(読み)いわのドーム(英語表記)Qubba al-Sakhra; Dome of the Rock

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「岩のドーム」の意味・わかりやすい解説

岩のドーム
いわのドーム
Qubba al-Sakhra; Dome of the Rock

アラビア語でクッバ・アッサフラと呼ばれ,エルサレムアクサー・モスクを含む聖域内に建つ,現存するなかでは最古のイスラム建築。ウマイヤ朝カリフアブドゥル・マリクが 687~691年に建立。サフラ (聖なる岩) をおおう中央ドームの周囲には,八角形回廊が2重にめぐらされ,幾何学的である。サフラはイスラム以前からアブラハムの伝説と結びつき神聖視されており,またムハンマドが昇天し,天界をめぐるために旅立った場所ともいわれる。当時メッカと敵対していたマリクは,巡礼の対象をカーバ神殿からここに変えるとともに,他宗教に対する勝利の記念となることを意図した。内部は基部が大理石張り,上部がモザイク装飾で,木造ドームの外装は鍍金銅板 (現在は金メッキのアルミ板) であり,外壁は 16世紀にモザイクから彩釉タイル装飾に改装されている。ビザンチン建築を受継ぎつつ,それを凌駕しようとしたウマイヤ朝建築の代表作。

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