島本(読み)しまもと

日本大百科全書(ニッポニカ) 「島本」の意味・わかりやすい解説

島本(町)
しまもと

大阪府北東部、三島郡(みしまぐん)の町。京都府と境する。1940年(昭和15)町制施行。町域の北部は釈迦(しゃか)岳から天王山に続く丹後(たんご)山地の一部をなす。南部の山崎地区は淀川(よどがわ)を挟んで男(おとこ)山(京都府八幡(やわた)市)に対し、京都盆地門戸をなす狭隘(きょうあい)部にあたり、水路としての淀川、陸路の西国街道が通じ、古くからの交通・軍事の要地であった。現在、JR東海道本線、新幹線、阪急電鉄京都線、名神高速道路、国道171号がここを通過する。水無瀬神宮(みなせじんぐう)や楠木正成(くすのきまさしげ)父子にちなむ桜井駅跡(国史跡)などがある。山崎地区にはサントリー工場などが立地する。北部山麓(さんろく)はタケノコの産地であるが、近年、住宅化が進んでいる。面積16.81平方キロメートル、人口3万0927(2020)。

[樋口節夫]

『『島本町史』全2巻(1975~1976・島本町)』


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改訂新版 世界大百科事典 「島本」の意味・わかりやすい解説

島本[町] (しまもと)

大阪府北東端,三島郡の町。人口2万8935(2010)。淀川西岸,山崎の地峡部に位置し,東は京都府大山崎町と接する。古くから京都盆地と大阪平野を結ぶ交通の要衝にあり,現在もJR東海道本線,阪急京都線,名神高速道路,国道171号線などが通る。木津川,宇治川,桂川が合流して淀川となる地点でもあり,冬季は霧が多く発生する。立地条件をいかして大正末には寿屋(現,サントリー),日紡絹糸(現,ユニチカ)の工場ができ,1960年以降には住友特殊金属,積水化学なども進出して工業生産が伸びている。また大阪市の近郊住宅都市としても発展している。水無瀬(みなせ)神宮や楠木正成・正行父子の桜井の別れで有名な桜井駅跡(史)など史跡も多い。
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百科事典マイペディア 「島本」の意味・わかりやすい解説

島本[町]【しまもと】

大阪府北東部,三島郡の町。淀川北岸の京都盆地の西の門戸にあたり,古くは山崎とよばれた交通・軍事の要地で,京都府の大山崎町と対する。東海道本線,阪急京都線,国道171号線(西国街道)が集中する。紡績洋酒の工場のほか楠木正成・正行(まさつら)父子訣別(けつべつ)の地桜井駅跡(史跡),水無瀬(みなせ)神宮がある。16.81km2。2万8935人(2010)。

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