巣山古墳(読み)すやまこふん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

巣山古墳
すやまこふん

奈良県北葛城郡広陵町三吉にある古墳時代中期の前方後円墳。全長約 200mで広い周濠がある。明治年間に発掘されたが,遺物は車輪石鍬形石などの石製品のほか,銅釧,鏡などがある。竪穴式石室後円部に2ヵ所,前方部に1ヵ所あったとされるが,後円部のものは1つの長大な石室ではないかという説もある。

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知恵蔵の解説

巣山古墳

2006年2月、周濠から葬送儀式に使われたらしい木棺のふた(長さ2.1m)、舟形木製品(同3.7m)の一部などが初めて見つかった、奈良県広陵町にある4世紀末〜5世紀初め(古墳時代中期)の前方後円墳。それぞれクスノキ、スギ製で同心円などの文様が刻まれ、朱の彩色跡も確かめられた。古事記に記された喪船(もふね)らしい。

(天野幸弘 朝日新聞記者 / 今井邦彦 朝日新聞記者 / 2007年)

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百科事典マイペディアの解説

巣山古墳【すやまこふん】

奈良県北葛城郡広陵町にある前方後円墳。4世紀末から5世紀初めの築造とされ,馬見(うまみ)古墳群の中央部に属し,特別史跡に指定されている。墳丘の周囲は幅広い周濠が巡らされており,墳丘の斜面は安山岩礫石割石が葺かれ,円筒埴輪の列が築かれている。古墳の規模は全長220m,後円部直径約130m,前方部幅約112mで,垂仁天皇陵に比定されている宝来山古墳に次いで11番目にランクされている。馬見古墳群の中で最大級の規模を誇るため大王墓の一つと考えられている。明治時代盗掘で破壊されているが,後円部の墳頂に2基の竪穴式石室があったようである。

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国指定史跡ガイドの解説

すやまこふん【巣山古墳】


奈良県北葛城(きたかつらぎ)郡広陵町三吉にある古墳。馬見丘陵中央部に数ある古墳のなかで、盟主的な存在の前方後円墳で、前方部を北東に向けて横たわっている。丘陵の東麓にある小さな丘に平行し、丘の一部を切断して築造された。古墳の前方部は、後円部ほど盛り上がっておらず、両側のくびれ部分には方形の造り出しがつけられている。墳丘の全面にわたって礫(れき)や割り石が葺かれ、円筒埴輪(はにわ)の列が築かれており、4世紀末から5世紀初めの築造と推定されている。後円部に2基の竪穴(たてあな)式石室が掘られていたが、明治年間に盗掘されている。墳丘の周囲には、幅広い盾形の周濠がめぐらされ、南に位置する新木山(にきやま)古墳とともに馬見古墳群の中で最大級の規模をもち、大王墓の一つと考えられている。1927年(昭和2)に国の史跡に指定され、1952年(昭和27)には国の特別史跡に指定された。1998年(平成10)に測量調査が行われた結果、古墳の規模は全長210m、後円部径約110m、前方部幅約96mとされたが、その後の発掘調査で墳丘の裾より8m外側に基底石が発見されたことから、現在では全長約220m、後円部径約130m、前方部幅約112mに訂正された。近畿日本鉄道大阪線五位堂駅から奈良交通バス「馬見丘陵公園」下車、徒歩約15分。

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