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巨大結腸症 きょだいけっちょうしょう megacolon

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

巨大結腸症
きょだいけっちょうしょう
megacolon

結腸が異常に拡張肥大する疾患で,先天性と後天性とがある。先天性巨大結腸症ヒルシュスプルング病ともいわれ,デンマークの外科医 H.ヒルシュスプルング (1830~1916) が 1888年に報告した。

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百科事典マイペディアの解説

巨大結腸症【きょだいけっちょうしょう】

大腸に異常な拡張部分があり,糞便がたまるため,頑固な便通困難が起こる疾患。先天性のものと後天性のものに分類され,先天性の巨大結腸症には,結腸の神経節欠損によって起こるヒルシュスプルング病などがある。

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家庭医学館の解説

きょだいけっちょうしょう【巨大結腸症】

 直腸(ちょくちょう)や結腸(けっちょう)(大腸(だいちょう))が異常に拡張し、その動きが悪くなって便秘になるものをいいます。直腸や結腸の悪性腫瘍(あくせいしゅよう)や、手術後の癒着による便やガスの通過障害が原因である場合が多くみられます。
 生まれつき直腸がうまく運動せずに細くなり、直腸の手前の結腸が拡張してしまうヒルシュスプルング病という病気もあります。この病気になると、新生児期から頑固な便秘が始まり、腸閉塞(ちょうへいそく)に進展したりします。
 一方、通過障害や細い部分がないにもかかわらず巨大結腸になることもあります。これは慢性の頑固な便秘が長年続いている人や、精神安定剤を多量に長期間服用している人などにみられます。
 さらに、潰瘍性大腸炎かいようせいだいちょうえん)に中毒性巨大結腸症という重症の合併症をおこすことがあります。腹痛、腹部膨満、高熱が続き、緊急手術が必要な場合もあります。
 巨大結腸症の治療は、その原因によって、下剤だけですむ場合から手術が必要になる場合まで、さまざまです。

出典|小学館
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

巨大結腸症
きょだいけっちょうしょう

結腸が異常に拡張および肥厚した状態で、横行結腸S状結腸や直腸に多くみられる。原因によって先天性と後天性に分けられる。[安富正幸]

先天性巨大結腸症

ヒルシュスプルング病ともいわれ、S状結腸下部から直腸に至るアウエルバッハ神経叢(そう)(腸の蠕動(ぜんどう)運動を支配する壁内神経叢)の先天的欠損が原因である。欠損部の腸蠕動が消失するために腸内容が通過せず、口側の結腸が拡大して巨大結腸となる。乳幼児期より始まる排便困難、頑固な便秘、腹部の膨隆が主症状で、発育障害を伴うこともある。診断は注腸X線造影のほか、直腸・肛門内括約筋反射の消失や直腸生検によりアウエルバッハ神経叢の欠損を証明することである。治療は、軽症では下剤や浣腸(かんちょう)により排便を図るが、一般には外科手術が行われる。[安富正幸]

後天性巨大結腸症

直腸や結腸の狭窄(きょうさく)、シャーガス病(中南米の寄生虫感染症)や潰瘍性大腸炎における中毒性巨大結腸症など、原因疾患の明らかなものをさす。治療は原因疾患の治療を行う。また、幼児期に高度の便秘のために巨大結腸を示すが、アウエルバッハ神経叢の異常はなく、特発性巨大結腸とよばれたものがある。しかし、今日では習慣性便秘によって貯留した糞便(ふんべん)による二次的な巨大結腸として、浣腸や下剤による排便促進で治療される。このほか甲状腺機能低下、パーキンソン病、糖尿病性神経障害、脊髄損傷(せきずいそんしょう)などによる腸機能低下による便秘でおこる巨大結腸症がある。薬物療法が主体であるが、まれには腸切除術や人工肛門が造設される。
 なお、ヒルシュスプルングH. Hirschsprung(1830―1916)はデンマークの医師、アウエルバッハL. Auerbach(1828―1896)はドイツの解剖学者、シャーガスC. Chagas(1879―1934)はブラジルの医師であり、ヒルシュスプルング病、アウエルバッハ神経叢、シャーガス病という名称は、それぞれ最初に記載した人物の名前がつけられた。[安富正幸]

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世界大百科事典内の巨大結腸症の言及

【ヒルシュスプルング病】より

…先天性巨大結腸症congenital megacolonともいう。便秘を主症状とする先天性の腸閉塞症で,1886年ヒルシュスプルングHarald Hirschsprung(1830‐1916)により初めて報告されたので,この名がある。…

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