精選版 日本国語大辞典 「幡随意」の意味・読み・例文・類語
ばんずいい【幡随意】
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近世初期の浄土宗の学僧。演蓮社智誉向阿(えんれんじゃちよこうあ)と号し、字(あざな)を白道(びゃくどう)という。相模(さがみ)国(神奈川県)藤沢の生まれで、姓は上宮(うえみや)(または川嶋(かわしま))。11歳で出家し、鎌倉光明寺(こうみょうじ)の智聡(ちそう)、武蔵(むさし)国(埼玉県)川越蓮馨寺(れんけいじ)の存貞(ぞんてい)(1522―1574)に就いて内外の典籍ことに宗学を学び、上野(こうずけ)国(群馬県)館林(たてばやし)善導寺(ぜんどうじ)に住した。諸国への巡教、諸寺院の建立、宗侶(しゅうりょ)の養成、また幡随意流の伝法(でんぽう)を創始するなど、教学、布教両面の振興に尽力した。1608年(慶長13)以前に江戸・神田に幡随院(新知恩寺(しんちおんじ))を開き、1613年には幕府の命により長崎に下向し、キリシタンの糾明にあたった。そのとき長崎に開かれた寺が大音寺(だいおんじ)、白道寺(びゃくどうじ)である。
[阿川文正 2017年9月19日]
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