広げる(読み)ヒロゲル

デジタル大辞泉 「広げる」の意味・読み・例文・類語

ひろ・げる【広げる/拡げる】

[動ガ下一][文]ひろ・ぐ[ガ下二]
空間・面積・幅を大きくする。「車庫を―・げる」「道路を―・げる」
範囲規模を大きくする。「視野を―・げる」「商売を―・げる」
(「展げる」とも書く)包んだり畳んだりしてある物や閉じてある物などを開く。また、開いて中身をあらわにする。「新聞を―・げる」「傘を―・げる」「弁当を―・げる」
たくさんのものを辺りいっぱいに並べ置く。「部屋も狭しと本を―・げる」
外へ張り出す。「枝を―・げた大木」
広い範囲にゆきわたらせる。ひろめる。
「今の世に布教して―・げようと云う心掛」〈漱石草枕
[下接句]大風呂敷を広げる手を広げる風呂敷を広げる店を広げるかどを広ぐ
[類語]伸びる広がる拡大する拡張する伸張する膨張するのばす引きのばす

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「広げる」の意味・読み・例文・類語

ひろ・げる【広・拡】

  1. 〘 他動詞 ガ下一段活用 〙
    [ 文語形 ]ひろ・ぐ 〘 他動詞 ガ下二段活用 〙
  2. たたんだり閉じたりしてあるものを延べ開く。
    1. [初出の実例]「是の如く尊者即ち座具を展(ヒログル)時に」(出典:百法顕幽抄平安中期点(900頃))
    2. 「草子をひろげさせ給ひて」(出典:枕草子(10C終)二三)
  3. 範囲・規模を大きくする。「門を広げる」「手を広げる」などの形で、繁栄させる、拡張発展させるなどの意で用いる。
    1. [初出の実例]「なほこの門ひろげさせ給ひて、侍らずなりなむ後にも、かずまへさせ給へ」(出典:源氏物語(1001‐14頃)薄雲)
  4. 同類の物を広い範囲にいきわたらせる。
    1. (イ) 物を一面に置く。散らす、散乱させるなどの意でもいう。
      1. [初出の実例]「所せきまで遊びひろげ給へり」(出典:源氏物語(1001‐14頃)紅葉賀)
    2. (ロ) 普及させる。はびこらせる。
      1. [初出の実例]「王維や淵明の境界を今の世に布教して広げやうと云ふ心掛も何もない」(出典:草枕(1906)〈夏目漱石〉一)
  5. 新たに展開する。繰り広げる。始める。
    1. [初出の実例]「清三の前には、新しい生活がひろげられて居た」(出典:田舎教師(1909)〈田山花袋〉一)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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