広がる(読み)ヒロガル

デジタル大辞泉 「広がる」の意味・読み・例文・類語

ひろが・る【広がる/拡がる】

[動ラ五(四)]
空間・面積・幅が大きくなる。「改築して家が―・る」「川幅が―・る」
範囲・規模が大きくなる。「視野が―・る」「販路が―・る」「汚染が―・る」
畳んだり閉じたりしてある物などが開く。また、先の方に向かって幅が大きくなる。「傘が―・る」「裾が―・ったスカート」「花火が―・る」
大きく展開する。「眼前大海原が―・る」
[可能]ひろがれる
[用法]ひろがる・ひろまる――「大地震のうわさが広がる(広まる)」では、相通じて用いられる。◇「広がる」は自然現象として、また人の営みの結果として、面積や範囲が大きくなる意。「眼下に広がる大平原」「火事が広がる」「事業が広がる」◇「広まる」は自然にという意は少なく、人が大きくのばそうと努めた結果、行きわたるの意が強い。「OA機器利用が広まる」「教育が全国民に広まる」
[類語](1拡大する拡張する伸張する膨張するのびるのばす引きのばす広げる/(2広まる行き渡る流布るふする伝播でんぱする浸透する波及する弥漫びまんする蔓延まんえんする伸展する発展するはびこるのさばる流行猖獗しょうけつ跋扈ばっこ跳梁ちょうりょう横行

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「広がる」の意味・読み・例文・類語

ひろが・る【広・拡】

  1. 〘 自動詞 ラ行五(四) 〙
  2. 広くなる。
    1. (イ) 面積・範囲が大きくなる。
      1. [初出の実例]「クチガ firogaru(ヒロガル)」(出典日葡辞書(1603‐04))
      2. 「やや勢を得て燃え出し、〈略〉遂に林一面にひろがれり」(出典:尋常小学読本(1887)〈文部省〉六)
    2. (ロ) 行動、生活の範囲、物事の影響などが大きくなる。「つき合いが広がる」
      1. [初出の実例]「経験に追ひつめられて何うにもあがきの取れなかった自分の世界が静かに展(ヒロ)がって行くのを」(出典:ガトフ・フセグダア(1928)〈岩藤雪夫〉二)
    3. (ハ) たたんであるもの、閉じてあるものが開く。また、先の方が広くなる。
      1. [初出の実例]「上差の流鏑矢(かぶらや)を抜いて、羽の少し広(ヒロ)がりけるを鞍の前輪に当てかき直し」(出典:太平記(14C後)一六)
  3. 同類のものが広い範囲にいきわたる。普及する。はびこる。蔓延(まんえん)する。
    1. [初出の実例]「盛 サカリテ スサマシウ ヒロガッタト云マスル」(出典:交隣須知(18C中か)四)
    2. 「夏草処得がほにひろがれば」(出典:やみ夜(1895)〈樋口一葉〉五)
  4. ある広さを占める。
    1. [初出の実例]「東西七キロ余り、南北六キロ足らずの平地にひろがる村である」(出典:彼の歩んだ道(1965)〈末川博〉一)
  5. 開合開音発音をする。
    1. [初出の実例]「ここらにはひろがってりゃうとよむぞ。ここはすぼめてれうとよむぞ」(出典:玉塵抄(1563)四一)

広がるの補助注記

「ひろげる」に対応する自動詞であるが、中世以前は、「ひろごる」であった。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

ゲリラ豪雨

突発的に発生し、局地的に限られた地域に降る激しい豪雨のこと。長くても1時間程度しか続かず、豪雨の降る範囲は広くても10キロメートル四方くらいと狭い局地的大雨。このため、前線や低気圧、台風などに伴う集中...

ゲリラ豪雨の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android