仏教の守護神。サンスクリット語ビルーパークシャ・デーバVirūpāka-deva(「醜い目をもてるもの」の意)の訳で、醜目(しゅうもく)天、西方(さいほう)天、広目天王とも称する。須弥山(しゅみせん)の西中腹に住し、浄天眼(じょうてんげん)で衆生(しゅじょう)を観察し、西方にあって仏法を守護する善神。その形像に関しては一定しないが、普通、武将形で、赤色または黄色の身に甲冑(かっちゅう)を着け、手には三叉戟(さんさげき)、筆、索(さく)、剣、鉾(ほこ)などを持つ。持国(じこく)天、増長(ぞうちょう)天、多聞(たもん)天とともに四天王の一つに数えられる。
[江口正尊]
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…四大天王,四王,護世四王ともいう。東方に持国天(提頭頼吒(だいずらた)の訳),南方に増長天(毘楼勒叉(びるろくしや)),西方に広目天(毘楼博叉(びるばくしや)),北方に多聞天(毘沙門)が位置する。《増一阿含経(ぞういちあごんきよう)》や《阿育王経(あいくおうきよう)》には,四天王が釈尊のもとに現れて帰依したことや,釈尊の涅槃(ねはん)の後に仏法を守護することを釈尊から託されたことを記し,《金光明最勝王経》には,四天王が釈尊に対し本経を信奉する人々とその国家を守護することを誓ったことが説かれている。…
※「広目天」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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