座薬(読み)ザヤク(その他表記)suppository

翻訳|suppository

デジタル大辞泉 「座薬」の意味・読み・例文・類語

ざ‐やく【座薬/×坐薬】

肛門ちつ尿道などに挿入する固形外用薬体温分泌物によって徐々に溶けて作用する。解熱鎮痛などに使用座剤
[類語]外用薬付け薬塗り薬湿布差し薬目薬点薬

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精選版 日本国語大辞典 「座薬」の意味・読み・例文・類語

ざ‐やく【座薬・坐薬】

  1. 〘 名詞 〙 ( [オランダ語] Zetpil の訳語 ) 薬品カカオ脂やグリセロゼラチンなどに均等に混ぜ、適当な形にした挿入剤。肛門に挿入し、体温で溶かす。痔疾治療や、乳幼児の解熱・鎮静目的で用いる。剉剤。〔西説内科撰要(1792)〕

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改訂新版 世界大百科事典 「座薬」の意味・わかりやすい解説

座薬 (ざやく)
suppository

現在,薬学では座剤といわれている。通例,医薬品を基剤に均等に混ぜあわせ,一定の形状に成形して,肛門,または腟,尿道に適用する固形の外用剤で,体温によって溶けるか,軟化するか,または分泌液で徐々に溶ける。肛門座剤は直腸に適用し,形状は紡錘形または円錐形で,重さは1~3g,長さは3~4cmである。肛門座剤は痔疾患に局所作用を目的として使用されていたが,近年全身作用を目的とする座剤も数多くある。局所作用の座剤は,主として,緩和,収斂(しゆうれん),局所麻酔,殺菌などを目的とする座剤である。これに用いる医薬品は,ロートエキス,アネステジン,タンニン酸などである。全身作用の座剤は,適用部位の粘膜から薬物を吸収させて,全身への効果を期待する場合の座剤である。吸収された薬物は肝臓を通過せずに直接大静脈へ移行する。解熱鎮痛,抗痙攣(けいれん)剤として,また抗生物質などに用いられている。
製剤
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百科事典マイペディア 「座薬」の意味・わかりやすい解説

座薬【ざやく】

座剤とも。医療品を,基剤に均等に混和し,円錐形,球形,紡錘形などに成型して,肛門,尿道,腟(ちつ)などに適用する固形の外用剤。基剤としてカカオ脂,ラウリン脂,グリセロゼラチンまたはポリエチレングリコールなどが用いられる。適用後は体温や分泌液によって自然に融解し,薬物の効果を発揮する。
→関連項目トリコモナス腟炎

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