式根島
しきねじま
東京都、伊豆諸島にある小さな火山島。大島支庁新島村(にいじまむら)に属する。新島の南方約3.7キロメートルにあり、面積3.69平方キロメートル。島は台地状で流紋岩からなり、最高地点109メートル。海岸は断崖(だんがい)をなすが、野伏(のぶし)港、大浦湾、御釜湾など入り江が多く、湾奥には砂浜がみられる。また足付(あしつき)温泉、地鉈(じなた)温泉が南海岸にある。海洋性の温暖な気候でツバキやナギの自然育成林がある。長く無人島であったが、新島からの移住が1889年(明治22)から始まった。2009年(平成21)の時点で562人が定住している。漁業と観光業(民宿と、サーフィン、スキューバダイビング、水上スキーなどのマリンスポーツ)が中心で、野伏港と東京、下田、伊豆大島、新島、神津島間に定期船が通る。北端の泊港(とまりこう)は1908年(明治41)築港した古い漁港で、氏神の泊神社がある。
[沢田 清]
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式根島
しきねじま
東京都,伊豆諸島北部にある火山島。新島の南西約 4kmに位置する。行政区分上は東京都大島支庁新島村に属する。周囲 12.2km。最高点は 109mで,全体として平坦な台地状の島。海岸は岩石海岸で,野伏湾をはじめ小湾が多い。古くは無人島であったが,1887年頃から移住開発が進められた。飲料水の天水依存と既成の土地分割で開拓されたため,散村的集落形態を示す。漁業が中心で,耕地率が低くおもに畑作が行われる。南東端の地鉈,足付は海水温泉で有名。富士箱根伊豆国立公園に含まれ,観光開発に力が注がれている。東京,下田,新島と定期船で結ばれる。面積 3.90km2。人口 581 (2000) 。
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式根島【しきねじま】
東京都大島支庁新島村に属する伊豆諸島の一島。新島の南西約3kmにある。黒雲母流紋岩よりなる台地状の火山島で,面積3.67km2。海岸は良湾が多く,古くは風待港として利用,江戸時代には新島の浜百姓が渡って作業小屋を営んでいたらしく,塩年貢を納めていた。1887年新島からの移住者が開島した。漁業が主で,農業は自給程度。富士箱根伊豆国立公園に属し,海岸には温泉もあり,近年観光地として発展。新島から船便がある。
→関連項目新島
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しきね‐じま【式根島】
東京都、伊豆諸島の新島の南西方にある火山島。全島溶岩から成る台地で、
屈曲の多い海岸線をもち、泊
(とまり)、野伏
(のぶせ)などの
良港がある。式寧島。
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しきね‐じま【式根島】
東京都、伊豆諸島にある火山島。大島支庁管内新島村に属する。足付・地鉈の両温泉がある。
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しきねじま【式根島】
伊豆諸島の新島(にいじま)南西方にある火山島で,東京都大島支庁新島村に属する。人口603(1995),面積約4km2。式根島は古くから新島の属島で近世に入って無人島となり,のち新島本村(現,新島村)の農家に土地が分割され,薪炭材や漁網染料の供給地となった。1887年新島からの移住が始まり,開発が進められた。したがって社会的・経済的に新島村とのつながりが強く,両島間は村営の小型船で結ばれる。地形は大部分が平たんな台地からなり,最高点は西端の109m。
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