新島
にいじま
伊豆諸島の活火山島。東京都大島支庁管内で、大島の南西約4キロメートル。南北約11キロメートル、東西約3キロメートル、面積約23平方キロメートル、標高432メートル(宮塚山)。人口2472(2009)で、人口562(2009)の式根島(しきねじま)とともに新島村をなす。白色で多孔質の流紋岩の溶岩円頂丘が多く、軽量・耐火の石材「抗火石(こうかせき)」として広く活用されている。1871年(明治4)まで流人の島であった。富士箱根伊豆国立公園の一部で、近年観光客が急増。イチョウの大樹のある長栄寺や、ソテツ、オガタマノキのある十三社神社(じゅうさんしゃじんじゃ)がある。有史以後の噴火は向(むこう)山の仁和年間(885~889)初年の噴火だけで、作井による温泉はあるが、噴気・地熱地帯はない。近年も島の付近でよく地震が群発している。定期船は東京・竹芝桟橋より、大島・利島経由で毎日運行、静岡県下田との間でも運行されている。航空便は東京調布飛行場との間に定期便がある。
[諏訪 彰]
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新島【にいじま】
伊豆諸島中の一島。東京都に属し,式根島とともに新島村(27.54km2,2883人。2010)をなす。南北に細長い火山島で,大部分は流紋岩の山地。主集落は中部西岸にあり,東京・下田両港から船便,調布から航空路がある。14世紀末に上杉朝宗の支配下に入っており,江戸時代には200余戸の家があって塩焼や漁業を行っていた。抗火石,くさやを特産,養豚も盛ん。南端に防衛省のミサイル試射場がある。近海では時折震源の浅い地震が発生しており,活火山として気象庁が常時観測している。
→関連項目伊豆諸島
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新島
鹿児島県鹿児島市、錦江湾に浮かぶ島。「しんじま」と読む。桜島の北東約1.5キロメートルに位置する。面積約0.13平方キロメートル。安政年間の桜島の噴火におり隆起して生まれた島。
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にい‐じま にひ‥【新島】
東京都、伊豆諸島北部の火山島。大島の南西約四キロメートルにある。漁業を主とし、くさやが特産で、抗火石という
石英粗面岩を
産出。面積約二三平方キロメートル。
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にい‐じま【新島】[地名]
伊豆七島の一。東京都大島支庁に属する火山島。抗火石と呼ぶ石材の産地。
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にいじま【新島】
伊豆諸島の大島南西方にある火山島。式根島を含めて東京都大島支庁新島村に属する。新島は南北約11km,東西約3kmの細長い島で,面積約23km2,人口2560(1989),式根島を含めた新島村の人口は3163(1995)。島の北部にある宮塚山(432m)と南部にある向(むかい)山(283m)との間に低地が広がり,集落は低地の西海岸沿いに発達した本村と,北西部の小湾入に発達した若郷(わかごう)の二つがある。
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世界大百科事典内の新島の言及
【下総国】より
…
[経済・産業]
幕府の殖産興業政策は,直ちに下総で実施に移される。香取郡新島(しんしま)の計画的な開発は早くも天正(1573‐92)末年から開始されて寛永期(1624‐44)まで続けられ,十六島の開墾を完成させた。1670年(寛文10)には椿海(つばきうみ)干拓に着工,干潟八万石といわれる新田が生まれ,95年(元禄8)はじめて検地が行われた。…
【水郷】より
…中世に形成された沖之島に1590年(天正18)徳川氏の代官が常陸の佐竹氏に敗れた江戸崎城主土岐氏の家臣に見立新田として上之島を開かせたことに始まり,その後約50年間に次々と開発された。徳川家康によって〈新島(しんしま)〉と命名され,将軍の日光社参時の人馬や鹿狩りの勢子人足が免除されるなどの特権をもっていた。十六島新田の発展は17世紀中ごろからの約80年間で,利根川の河道付け替えによって砂州が拡大し,しだいに耕地化されていった。…
【伊豆諸島】より
…東京都に属し大島支庁(大島町,利島(としま)村,新島村,神津島(こうづしま)村),三宅支庁(三宅村,御蔵島(みくらじま)村),八丈支庁(八丈町,青ヶ島村)管轄下の島嶼(とうしよ)群をいう。かつては伊豆諸島以南の地も含めて漠然と豆南(ずなん)諸島と呼ばれた。…
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