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張鼓峰事件 ちょうこほうじけん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

張鼓峰事件
ちょうこほうじけん

1938年に起った日ソ両軍の衝突事件。日独防共協定の締結がソ連の対日硬化を招き,当時日ソ関係は悪化していたが,同年7月 11日,ソ連は突然張鼓峰頂上を占拠し,陣地の構築を始めた。張鼓峰は満州,朝鮮,ソ連国境に近く,国境線も不明確な地点で,満ソ両国が自国の領土であると主張していた。日本政府は重光葵駐ソ大使に撤退を要求させたが,ソ連はこれを拒絶,同7月下旬から8月上旬にかけて激しい戦闘がなされた。日本軍はソビエト機械化部隊に敗北し,重光大使が M. M.リトビノフ外務人民委員と折衝した結果,8月 10日,停戦協定が成立,事実上日本はソ連の主張する国境を認めた。この事件は日本軍にソ連の軍事力,特に機械化部隊の実力を知らしめた。

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デジタル大辞泉の解説

ちょうこほう‐じけん〔チヤウコホウ‐〕【張鼓峰事件】

昭和13年(1938)満州・ソ連・朝鮮国境近くの張鼓峰で、国境問題をめぐって起きた日ソ両軍の衝突事件。

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百科事典マイペディアの解説

張鼓峰事件【ちょうこほうじけん】

1938年7〜8月,ソ連・満州(中国東北)国境付近の張鼓峰地区での日ソ両軍衝突事件。対ソ戦準備のため朝鮮駐屯1個師団と一部関東軍を動員,局地戦争を挑発(ちょうはつ)したが,ソ連軍の反撃で敗北,リトビノフ外相・重光葵大使間の停戦協定で撤兵して解決。

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世界大百科事典 第2版の解説

ちょうこほうじけん【張鼓峰事件】

1938年夏に起こった日ソ両軍の大規模な国境衝突。張鼓峰は豆満江下流の,当時の〈満州国〉とソ連との国境付近にあり,日本軍はこの方面を朝鮮軍の担任区域としていた。日中戦争が拡大すると日ソ関係は悪化したが,この年7月に国境の不明確なこの地域でソ連軍が張鼓峰に進出すると,日本はこれを国境侵犯だと抗議し,ついで第19師団長は独断でこれを夜襲して占領した。日本陸軍はスターリン粛清でソ連軍が弱体化したと判断し,漢口作戦を前に威力偵察でソ連の出方を試そうと考えていた。

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大辞林 第三版の解説

ちょうこほうじけん【張鼓峰事件】

1938年(昭和13)7月、満州国の東部国境をなす豆満江下流付近の張鼓峰における国境紛争により、日・ソ両軍が大規模に衝突した事件。日本軍はソ連軍の機械化部隊によって大打撃を受けた。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

張鼓峰事件
ちょうこほうじけん

1938年(昭和13)ソ満東部国境で起こった日ソ両軍の衝突事件。ソ連と「満州国」、朝鮮が国境を接する張鼓峰の小丘陵地帯の帰属は、かねて日ソ間の懸案であったが、同年7月ソ連軍が山頂に陣地工事を始めると、参謀本部はソ連軍に対する威力偵察の目的で武力発動を策した。しかし閣内や宮廷グループに反対が強く、7月20日板垣征四郎(せいしろう)陸相の応急動員下令の上奏に天皇は裁可を与えなかった。しかし国境に集結していた第19師団は大本営、朝鮮軍の制止を無視し、30日独断でソ連軍を攻撃、圧倒的な火力、機動力によるソ連軍の反撃を受けて多大の損害を出した。8月4日モスクワで日ソ間の交渉が再開され、11日停戦協定の調印により事件は落着した。[鈴木隆史]
『藤原彰著『日中全面戦争』(『昭和の歴史5』1982・小学館)』

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世界大百科事典内の張鼓峰事件の言及

【ソビエト連邦】より

…36年11月25日の日独防共協定の締結はソ連を恐怖させた。37年7月日本は日中戦争を起こし,侵略の方向を南にとったが,その後に,38年7月には朝ソ国境で張鼓峰事件,39年5~8月には満州・モンゴル国境でノモンハン事件と,2度にわたりソ連軍との本格的衝突を起こした。このうち,とくに後者において日本軍はソ連軍の機甲兵力の前に完敗した。…

※「張鼓峰事件」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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