デジタル大辞泉
「後手」の意味・読み・例文・類語
ご‐て【後手】
1 他に先を越されること。また、相手に先に攻められて受け身の立場になること。災害や事故などへの対応が遅れること。「立ち上がりから後手に回る」「することなすことがみんな後手になる」⇔先手。
2 囲碁・将棋の用語。
㋐先手のあとで着手すること。また、その人。後手番。⇔先手。
㋑自分の着手に対し、相手が受けてくれず、他の好所に先着されてしまうこと。⇔先手。
3 「後詰め1」に同じ。
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
うしろ‐で【後手】
〘名〙
① (「で」は物の位置、方向などを示す) 物の後ろにあたる部分、方向。
背面。また、人の、後ろから見た姿、ようす。
後ろ姿。
※
古事記(712)中・
歌謡「道に逢
(あ)はしし嬢子
(をとめ) 宇斯呂伝
(ウシロデ)は
小楯(をだて)ろかも」
※
今昔(1120頃か)二四「後手の歩たる姿、
窈窕(たをやか)に微妙
(めでた)し」
② 手を背中に回すこと。また、
背後で
両手を組むこと。しりえで。
※
日葡辞書(1603‐04)「Vxirodeni
(ウシロデニ) シバラルル」
ご‐て【後手】
〘名〙
①
後方で事に備えること。後方に備えている
予備の
軍勢。後詰。後陣。後備。〔運歩色葉(1548)〕
※
上杉家文書‐永祿一二年(1569)正月一七日・大川長秀書状「後手之備如何之間、早々可
二引返
一之段」
② 囲碁・将棋で先手のあとで着手すること。また、その人。また、一般に相手に攻められ主導権をとられること、受身の立場に追いこまれることをもいう。〔日葡辞書(1603‐04)〕
③ 事を行なうのに他人に先を越されること。手遅れとなること。
※浮世草子・男色十寸鏡(1687)上「男のつめひらき皆後手(ゴテ)になりて」
※助左衛門四代記(1963)〈有吉佐和子〉五「後手後手に役所から助左衛門に感謝状が届いた理由なのである」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報