徐世昌(読み)ジョセイショウ

デジタル大辞泉 「徐世昌」の意味・読み・例文・類語

じょ‐せいしょう〔‐セイシヤウ〕【徐世昌】

[1855~1939]中国末・民国初期の政治家天津てんしん河北省)の人。あざな菊人きくじん。1918年、安徽あんき奉天派に推されて大総統就任、革命派との和議を策したが失敗。1922年直隷派圧力辞任。シュイ=シーチャン

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精選版 日本国語大辞典 「徐世昌」の意味・読み・例文・類語

じょ‐せいしょう ‥セイシャウ【徐世昌】

中国、清末・民国初の政治家。字(あざな)は菊人。天津の人。清末に内閣協理大臣、民国成立後は国務総理などを歴任。一九一八年に安徽派軍閥に推され第四代大総統に選任された。(一八五五‐一九三九

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「徐世昌」の意味・わかりやすい解説

徐世昌
じょせいしょう / シュイシーチャン
(1858―1936)

中国、清(しん)末から民国にかけての政治家。天津(てんしん)生まれ。清末、東三省総督、参謀総長、清廷最高顧問を歴任。1911年の辛亥(しんがい)革命後、清の遺老として退位後の宣統帝師傅(しふ)となった。民国成立後の1914年、袁世凱(えんせいがい)の推挙により国務総理となったが、翌1915年、袁の帝政計画に反対して辞職。1918年、安徽(あんき)派、奉天派軍閥に推されて大総統に就任し、南方派(革命派)との和議を策したが成功しなかった。五・四運動では民衆運動を抑圧した。1922年、奉直戦争で奉天派が敗れて辞任し、それ以後は故郷の天津に閉居した。

安藤彦太郎

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改訂新版 世界大百科事典 「徐世昌」の意味・わかりやすい解説

徐世昌 (じょせいしょう)
Xú Shì chāng
生没年:1855-1939

中国の政治家。河北省天津の人。字は菊人,号は東海。32歳で進士となり,以後順調に出世して清末には新設の東三省総督になった。袁世凱と親しく,北洋軍閥中の文官派長老で,中華民国第4代大総統(1918-22)にもなった。時に〈標準遺老〉と評されたことが示すように,王朝の変相としての民国の一面を代表する人物である。《清儒学案》や《顔李叢書》の編纂刊行など,伝統文化の称揚に尽くしたことは評価される。
執筆者:

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「徐世昌」の意味・わかりやすい解説

徐世昌
じょせいしょう
Xu Shi-chang; Hsü Shih-ch`ang

[生]咸豊8(1858)
[没]1936
中国,清末,民国初期の政治家。字は菊人。号は東海。天津の人。幼時より袁世凱と親しく,袁の台頭とともに出世し,東三省総督などを経て,辛亥革命時には内閣協理大臣 (副首相) であった。袁の政権掌握後,その下で国務卿 (首相) をつとめ,袁の死後は北洋系 (→北洋軍閥 ) の最長老となり,1918年北京政府の大総統に就任。軍閥内部の融和,南方との妥協をはかったが失敗,22年第1次奉直戦争後,直隷派に排斥されて辞職,政界から引退した。

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百科事典マイペディア 「徐世昌」の意味・わかりやすい解説

徐世昌【じょせいしょう】

中国,清末から民国初期の軍閥政治家。河北省の人。清末に袁世凱の信を得て,清朝廷の最高顧問となる。中華民国成立後は袁政権の国務卿。1918年安徽派と奉天派軍閥に推され第4代大総統に就任,在任中に五・四運動が起こった。1922年直隷派の進出で辞任し天津に隠退した。

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世界大百科事典(旧版)内の徐世昌の言及

【正史】より

…10世紀以後,政府によって公認された特定の史書に正史の名が冠せられ,司馬遷の《史記》にはじまり欧陽修の《五代史記》に至る歴代17種の紀伝体歴史書を十七史とした。正史の数は時代が下るにつれ増え,明代二十一史,清では二十二史となったが,乾隆以後,《旧五代史》《旧唐書》を加えて二十四史,1922年大総統徐世昌は柯劭忞(かしようびん)の《新元史》を入れて二十五史とした。最近の中国では《清史稿》も正史に準じて扱っている。…

※「徐世昌」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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