御福(読み)オフク

デジタル大辞泉 「御福」の意味・読み・例文・類語

お‐ふく【御福】

ふく(福)2」に同じ。
多聞の―を、清水にて給はらうずる間」〈虎明狂・毘沙門
おたふくおかめ
姫君はさて置きたとへ餅屋の―でも」〈浄・反魂香
文楽人形かしらの一。下女下級女郎の役に使う。

ご‐ふく【御福】

ふく2」に同じ。
鞍馬大悲多聞天だいひたもんてんの―を主殿しうどのに参らせたりや」〈虎明狂・鞍馬参

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精選版 日本国語大辞典 「御福」の意味・読み・例文・類語

お‐ふく【御福】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「お」は接頭語 )
  2. 神仏から授かる幸い。特に、毘沙門天多聞天)から授かる福。
    1. [初出の実例]「あら有難や。多聞天より、お福を被下(くだされ)た」(出典:虎寛本狂言・鞍馬参(室町末‐近世初))
  3. おふくむかで(御福蜈蚣)」の略。
    1. [初出の実例]「御福かや鞍馬の山のかぎわらび〈信相〉」(出典:俳諧・鷹筑波(1638)二)
  4. おたふく。おかめ。また、女性をいやしめていう語。
    1. [初出の実例]「真榊のみどりの頭巾紙小人 おふくの面の雪の香来(かぐ)山〈常矩〉」(出典:俳諧・雑巾(1681)独吟)
  5. ( おたふくに似ているところから ) 人形浄瑠璃で、下女や端女郎(はしじょろう)の役に使われる人形のかしら。〔楽屋図会拾遺(1802)〕
    1. 御福<b>④</b>
      御福
  6. ねずみ(鼠)」の異名。〔物類称呼(1775)〕

ご‐ふく【御福】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「ご」は接頭語 ) 神仏から授かる幸い。多く、その供物のおさがりをいう。おふく
    1. [初出の実例]「ごふくはこなたにおさまってござる」(出典:虎明本狂言・鞍馬参(室町末‐近世初))

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