日本大百科全書(ニッポニカ) 「徹通義介」の意味・わかりやすい解説
徹通義介
てっつうぎかい
(1219―1309)
鎌倉時代の曹洞(そうとう)宗の僧。越前(えちぜん)(福井県)稲津の人。13歳で達磨(だるま)宗波著寺(はじゃくじ)の懐鑒(えかん)に就(つ)いて出家、1241年(仁治2)宇治興聖(こうしょう)寺の道元(どうげん)に帰投(きとう)し、道元が越前永平寺に移るに従い、典座(てんぞ)、監寺(かんす)などを勤めた。道元の寂後は孤雲懐奘(こうんえじょう)に参じて法を嗣(つ)ぎ、京・鎌倉の五山や中国の径山(きんざん)・天童山などの諸刹(しょさつ)を見聞した。帰朝後、永平寺の伽藍(がらん)整備に努め、永平寺3世となる。懐奘の寂後、永平寺の内紛に際して加賀(石川県)大乗寺に移って開山となる。延慶(えんけい)2年9月14日示寂。弟子に曹洞宗発展の基礎を築いた瑩山紹瑾(けいざんじょうきん)がいる。
[石川力山 2017年9月19日]