悪口祭(読み)ワルクチマツリ

デジタル大辞泉 「悪口祭」の意味・読み・例文・類語

わるくち‐まつり【悪口祭(り)】

社寺の参詣人が互いに悪口を言い合ったり、ののしりあったりする祭り。勝ったものには好運があるという。悪口あっこう祭り。悪態祭り。

あっこう‐まつり〔アクコウ‐〕【悪口祭(り)】

「わるくちまつり」に同じ。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「悪口祭」の意味・わかりやすい解説

悪口祭
あっこうまつり

寺社の参詣者同士または特定の者の間で悪口を言い合ったり,特定の対象に対して悪口を言い放つことが特徴となっている祭り。悪態祭ともいう。大みそかや小正月の行事として行なわれるものが少なくない。参詣者が悪口を言い合う行事には,井原西鶴の『世間胸算用』4巻にも記された京都府京都市の八坂神社の削掛の神事(→白朮祭)や,愛知県豊川市の妙厳寺(豊川稲荷)のけんか参籠などがあり,栃木県足利市大岩の最勝寺の悪たれ市のように,勝った者には福運が訪れるといわれるところもある。特定の対象への悪態には,社会的な制裁の意味合いをもつ行事と,神仏や宗教者に対して悪態をつくものがある。社会的制裁では,江戸時代に全国的にその名が知られていた千葉県千葉市の千葉寺の千葉笑いのように,村人たちが庄屋などの社会的上位者の日頃の悪行をあげつらって嘲笑する例や,かつて宮城県塩竈市で行なわれていた「ざっとな」のように,子供たちが日頃の行ないよからぬ者の家の前で歯にきぬ着せず不行跡をあげつらう行事がある。神仏や宗教者への悪態の例としては,天狗役に対して悪口を言う茨城県笠間市岩間の愛宕神社の悪態祭,僧侶たちの舞にやじを飛ばし,そのやじが激しいほど豊作になるとされた岩手県平泉町の毛越寺の延年,祭文を読む摩多羅神に読み方が悪いとけちをつける京都府京都市太秦の広隆寺境内大避神社の牛祭などがある。

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