打ち壊す(読み)ブチコワス

デジタル大辞泉 「打ち壊す」の意味・読み・例文・類語

ぶち‐こわ・す〔‐こはす〕【打ち壊す/打ち毀す】

[動サ五(四)]
打ったりたたいたりしてめちゃめちゃにする。たたきこわす。「錠前を―・して侵入する」
物事の成り立つのをだめにする。台なしにする。「縁談を―・す」「せっかくのムードを―・す」
[類語]打ち壊す取り壊す打ち砕く破壊壊す叩き壊す毀損損壊破損破砕砕破全壊壊滅

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「打ち壊す」の意味・読み・例文・類語

ぶち‐こわ・す‥こはす【打壊・打毀】

  1. 〘 他動詞 サ行五(四) 〙
  2. 打ったりたたいたりして物を砕いたり、破ったりする。たたきこわす。うちこわす。
    1. [初出の実例]「大槌(かけや)の鋸など持たせぶちこはすとゆすりかけ」(出典談義本・遊婦多数寄(1771)二)
  3. ( 「ぶち」は接頭語 ) でき上がり、整っている状態、調子計画などをだめにする。だいなしにする。うちこわす。
    1. [初出の実例]「家庭を破壊(ブチコハ)すのが主だ」(出典:水彩画家(1904)〈島崎藤村〉一一)
  4. ( 「ぶち」は接頭語 ) からだをいためる。健康を害する。
    1. [初出の実例]「長どうりうですっぱり腹をぶちこわしたから」(出典:西洋道中膝栗毛(1870‐76)〈仮名垣魯文〉初)

ぶっ‐こわし‥こはし【打壊・打毀】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 「ぶちこわし(打壊)」の変化した語。
    1. [初出の実例]「即身成仏の場面などは解釈の仕様がない。下手に解釈すれば、ぶっこはしである」(出典:弘法大師について(1934)〈菊池寛〉)
  3. 打壊(うちこわし)を俗にいう。
    1. [初出の実例]「打毀(ブッコハシ)といふ奴が来やがった」(出典:里芋の芽と不動の目(1910)〈森鴎外〉)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の打ち壊すの言及

【打毀】より

…打壊とも書き,打潰(うちつぶし),打崩(うちくずし),ぶっこわしなどともいう。江戸時代,百姓・町人の中下層身分による大庄屋・庄屋層,地主・在方商人・都市富商などの豪農商の家屋・家財・生産用具類を破壊し,被害を与えた闘争手段で,近世の階級闘争のなかで最も激化した形態の一つである。…

※「打ち壊す」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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