成立つ(読み)ナリタツ

デジタル大辞泉 「成立つ」の意味・読み・例文・類語

なり‐た・つ【成(り)立つ】

[動タ五(四)]
ある物事ができ上がる。すっかりある状態になる。成立する。「交渉が―・つ」
いくつかの要素が組み合わさってでき上がる。「限られたメンバーによって―・つ」
採算がとれて経営生活などを続けていくことができる。「商売が―・つ」「暮らしが―・つ」
一人前人間に成長する。
「おのづから宿世宿世に人と―・ちぬれば」〈少女
[類語]出来る成る仕上がる出来上がる仕上げるまとまる整う済む上がる完成する完了する成就達成大成速成適う実現成立出来しゅったい樹立確立存立打ち立てる成功奏功上首尾結実開花実を結ぶ花開く物になる格好がつく様になる型にはまる枠にはまる

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精選版 日本国語大辞典 「成立つ」の意味・読み・例文・類語

なり‐た・つ【成立】

  1. 〘 自動詞 タ行五(四) 〙
  2. 一人前になって世に立つ。人となる。成長する。立身する。
    1. [初出の実例]「おのづから、宿世宿世に人となりたちぬれば」(出典:源氏物語(1001‐14頃)乙女)
  3. ある状態・事態にたち至る。すっかりそういう気持になる。
    1. [初出の実例]「世の中いと騒しうなりたちぬれば」(出典:栄花物語(1028‐92頃)見はてぬ夢)
  4. ある要素が組みたてられてできあがる。また、まとまったり、認められたり、結論を得たりしてある状態ができあがる。
    1. [初出の実例]「元来邦国は、人民によりて成り立ちたるものなれば」(出典:西国立志編(1870‐71)〈中村正直訳〉一)
  5. 経済的にやっていける状態になる。
    1. [初出の実例]「これから宿屋をやって行くには、何と云っても年の若い人に気に入って貰えるようにしないと駄目だと思うんです。年寄り向きでは成り立たんです」(出典:薪小屋(1962)〈庄野潤三〉三)

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