しごき【扱】
- 〘 名詞 〙 ( 動詞「しごく(扱)」の連用形の名詞化 )
- ① 手などでにぎりしめて引くこと。
- ② きびしく鍛えること。きびしい訓練。
- [初出の実例]「ひとりで十人もの先輩に立ち向い徹底的なしごきを受けねばなりません」(出典:新西洋事情(1975)〈深田祐介〉間接統治に栄光あれ)
- ③ 「しごきおび(扱帯)」の略。
- [初出の実例]「お長はしごきのなりにて出る」(出典:洒落本・辰巳之園(1770))
あつかわ
しあつかはし【扱】
- 〘 形容詞シク活用 〙 ( 動詞「あつかう(扱)」の形容詞化 ) 事の処置に苦労する。取り扱いにくい。
- [初出の実例]「『いとかくくち木にはなしはてずもがな』と、人知れず、あつかはしくおぼえ侍れど」(出典:源氏物語(1001‐14頃)総角)
扱の派生語
あつかわし‐げ- 〘 形容動詞ナリ活用 〙
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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普及版 字通
「扱」の読み・字形・画数・意味
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
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扱 (しごき)
扱帯の略。しごいて締めるところから名付けられた。江戸時代,対丈(ついたけ)であった女物の小袖の丈が長くなるにつれ,腰の部分をたくしあげて歩きやすいように固定するために用いられ,抱帯(かかえおび)ともいった。明治以降,お端折(はしより)をする着方に変わると,腰紐を使うようになり,礼装用の装飾としてのみ残った。現在では,抱帯は錦地などの平絎(ひらぐけ)帯をいい,花嫁衣装の掛下着に用いられる。扱は赤,黄,緑などの綸子(りんず)やちりめんで同色の房飾がついたものをいい,花嫁衣装の振袖の帯や,七歳児の祝着の帯の下側に畳んだ扱を巻いて左後腰で結ぶ。江戸時代,その前身が手拭と思われる三尺帯も,当初しごいて締めるところから扱帯と呼ばれた。長さが一回り3尺で職人などから始まったが,6尺となっても三尺帯と呼び,現在は子ども物の帯として残っている。
執筆者:山下 悦子
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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扱【しごき】
扱帯の略。普通の帯のように仕立てずに1枚の布地をしごいて用いる帯。着物の丈が長かった江戸時代には,外出の際着物をたくしあげるため用い,かかえ帯とも称したが,現在では装飾用となり,七五三の衣装や花嫁衣装などで締めた帯の下方につけて左側で結び下げる。縮緬(ちりめん),羽二重などで無地が多い。
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
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