折折(読み)おりおり

精選版 日本国語大辞典 「折折」の意味・読み・例文・類語

おり‐おり をりをり【折折】

[1] 〘名〙
① その時その時。なにかの機会がある時ごと。
※竹取(9C末‐10C初)「恋しからん折々、取りいでて見給へ」
② その季節その季節。時節時節。
源氏(1001‐14頃)明石「秋の田の実を刈りをさめ、残りのよはひつむべき稲の倉町どもなど、おりおり、所につけたる見どころありてしあつめたり」
[2] 〘副〙
① そのつど。また、時々。たびたび。
※源氏(1001‐14頃)明石「入道にもおりおりかたらはせ給へど」
夜明け前(1932‐35)〈島崎藤村〉第二部「半蔵がをりをり漁(あさ)りに行古本屋」
次第次第。段々。
方丈記(1212)「齢は歳々にたかく栖(すみか)はをりをりにせばし」

へぎ‐おり ‥をり【折折】

〘名〙 薄くはぎ取った杉などの板を折って作った小型の箱。弁当などを詰めるのに用いる。おり。
虞美人草(1907)〈夏目漱石〉七「『おい弁当を二つ呉れ』〈略〉右の手に若干銀貨を握って、へぎ折(ヲリ)を取る左と引き換に出す」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「折折」の意味・読み・例文・類語

おり‐おり〔をりをり〕【折折】

[名]その時その時。「四季折折の花」
[副]
時々。時たま。「折折見かける人だ」
だんだん。徐々に。
「齢は歳々にたかく、すみかは―にせばし」〈方丈記
[類語]臨時随時不時不定期折に触れて当座時には時として往往たまたまたまさか時時時折時たま間間折節散発間欠周期的とかく時に時にはたまややもすればともすると得てしてなにかにつけ何かと言えば

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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