デジタル大辞泉 「捩り」の意味・読み・例文・類語 もじり〔もぢり〕【×捩り】 1 著名な詩文・歌謡などの文句をまねて滑稽化すること。また、その作品。→パロディー2 言語遊戯の一。言葉を、同音または音の近い他の語に言いかけること。地口じぐち・語呂ごろなど。3 付句の一種。前の句の終わりをもじって付けるもの。4 男性が着物の上から重ねて着る、筒袖または角袖の外套がいとう。捩り外套。5 ⇒錑錐もじぎり6 袖搦そでがらみの異称。 ねじり〔ねぢり〕【×捩り/▽捻り】 1 ねじること。ねじったもの。2 桛糸かせいとをねじって一括にしたもの。 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「捩り」の意味・読み・例文・類語 もじりもぢり【捩・錑】 〘 名詞 〙 ( 動詞「もじる(捩)」の連用形の名詞化 )① よじること。ねじること。また、ねじったもの。[初出の実例]「すっくと立てば又立寄る腕をもぢりに打ち返され」(出典:浄瑠璃・鬼一法眼三略巻(1731)二)② ( 錑 ) 江戸時代、罪人を捕える道具で、長柄の先に多くの鉄叉を上下に向けてつけたもの。袖搦(そでがらみ)。[初出の実例]「手々(てんで)に取まく鼻捻、つく棒、さすまた、もぢり琴柱(ことぢ)」(出典:浄瑠璃・関八州繋馬(1724)三)③ ( 錑 ) =もじぎり(錑錐)〔羅葡日辞書(1595)〕④ 付句の一種。まず題を出して一句を付け、その句の終わりをまた次の題として付けるもの。字もじり・本もじりの二種がある。段段付。もじり付け。[初出の実例]「享保十年の頃もじりと云ことはやる」(出典:随筆・我衣(1825))⑤ 言語遊戯の一種。ことばを、同音または音の近い他の意の言語に言いかけること。地口(じぐち)・語呂(ごろ)などの類。[初出の実例]「地口と似て異なるは語呂ともぢりなり〈略〉もぢりといふは、中の詞を上下へもたせ聞かするいひかけなり。御祖師さまありがたかりし瓜の皮。あぶり餠こがしやかとなる摩耶夫人、などなり」(出典:随筆・三養雑記(1840)一)⑥ 著名な詩文・歌謡などの調子や文句をまねて滑稽(こっけい)化すること。また、その作品。パロディー。[初出の実例]「『文付やひとりも出来ぬ娘の子サ。〈略〉何と秀逸でごぜへませう』『とんだ晉子(しんし)のもぢりだネ』」(出典:人情本・春色梅美婦禰(1841‐42頃)二)⑦ 男性が着物の上に着る、筒袖(つつそで)または角袖(かくそで)の外套(がいとう)。もじり外套。[初出の実例]「頭から黒のモヂリを被った」(出典:死滅する村(1923)〈小川未明〉)⑧ 下女などが汚れを防ぐため着物の上に着る筒袖のやや広いもの。鯉口(こいぐち)。⑨ 縄をかけてしばった物をもっときつく締めつけるための棒(日葡辞書(1603‐04))。 ねじりねぢり【捩・捻】 〘 名詞 〙 ( 五(四)段動詞「ねじる(捩)」の連用形の名詞化 )① ねじること。また、ねじったもの。ねじった状態。〔物理学術語和英仏独対訳字書(1888)〕② 綛糸(かせいと)をねじって一括としたものの称。 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例