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採水器 さいすいきwater bottle

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

採水器
さいすいき
water bottle

海洋や湖沼,河川などで水を採取する装置。水質検査や海洋,湖沼などの観測時に用いられる。水面付近の採水にはポリエチレン製のバケツがよく用いられるが,任意の深さにおける採水には転倒採水器を使用するのが一般的である。特にナンセンの転倒採水器は最も優秀で各国の海洋観測に使用されている。任意の深さにおける採水は可能であるが,1台では鉛直的に連続的な採水はできないので,1本のワイヤに必要に応じて複数の採水器を設置することによって,各層採水を行なっている。このナンセン採水器転倒温度計が取付けられているのが普通であり,各層における温度も採水と同時にはかれるようになっている。

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デジタル大辞泉の解説

さいすい‐き【採水器】

調査研究用に、表面一定の深さの水をくむための器具

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百科事典マイペディアの解説

採水器【さいすいき】

海水,湖水,井戸水などをくみとるための観測用器具。表面水用には採水バケツなどを用いるが,表面以深用は,転倒採水器(転倒温度計が付いていて測温をも同時に行う)が代表的。
→関連項目海洋測器

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世界大百科事典 第2版の解説

さいすいき【採水器 water sampler】

海水を採集するための器具で,海中で直接測定できない溶存化学物質を分析するためや,微生物を採集するためなどに使用される。また,海中で直接測定が可能であっても,測定器具を較正するために海水を採水する必要があり,海洋観測には欠かせない器具である。用途により多種多様のものが考案されており,採水量は微生物採集用の数mlから,微量元素分析用の数百lまである。表面水は観測船から採水バケツ等で採集する。以深の海水はワイヤにとりつけた採水器を船から下ろし,希望の深度で採水して船に引き上げる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

採水器
さいすいき
water bottlesampler

海水、陸水の表面やそれ以深の試水を採取する器械。表面採水にはゴム製二重バケツが用いられる。表面以深用には特別のものが用いられ、ワイヤやロープに沿って落下されるメッセンジャー(おもり)により所定の深度で転倒させたり、蓋(ふた)をしたりして採水する。多筒採水器、絶縁採水器など多くの形式があるが、海洋観測用にはナンセンの開発した転倒温度計付きの転倒採水器が長く使われてきた。その後、電気伝導度水温水深計Conductivity-Temperature-Depth profiler(CTD)の実用化により、1980年代に入り、多筒採水器としてCTDを取り付けた台座に取付装置をつけ、放射状(ロゼット状)に12~24本のニスキン採水器(硬質塩化ビニル製の円筒部分と蓋、蓋を閉じるためのばね、固定用ロッドからなる。容量は1~30リットルのものが市販されている)を取り付けたロゼット型採水器が一般化している。[半澤正男・佐伯理郎]
『大和田紘一著・刊『海洋微生物研究のためのロゼット型無菌各層採水器の開発』(2001) ▽柳哲雄著『海洋観測入門』(2002・恒星社厚生閣)』

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世界大百科事典内の採水器の言及

【海水】より

…しかし,数千mに及ぶ深海からその深さや水温が正確にわかる試料を他の海水と混合させずに,また目的とする成分に変化を与えずに採取することは必ずしも容易ではない。これまで通常の海洋観測では,1904年ノルウェーの海洋学者F.ナンセンの考案した採水器(ナンセン採水器)が世界的に最も広く用いられてきた。この採水器は,観測船のウィンチから繰り降ろすワイヤに適当な間隔に取りつけ,目的とする長さまで伸ばして採取するもので,1~2lの海水試料が得られる。…

※「採水器」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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