共同通信ニュース用語解説 「政府税制調査会」の解説
政府税制調査会
経済や社会の変化に対応し、中長期的な視点で税制の在り方を検討する首相の諮問機関。学者や経済人らで構成する。与党の税制調査会が関係省庁や業界団体の意向を踏まえて毎年度の具体的な税制改正内容を決めるのに対し、税制のあるべき姿の大きな方向性を示す。政権に配慮し、世論を二分しそうなテーマは議論を避ける傾向にある。答申に法的拘束力はない。
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経済や社会の変化に対応し、中長期的な視点で税制の在り方を検討する首相の諮問機関。学者や経済人らで構成する。与党の税制調査会が関係省庁や業界団体の意向を踏まえて毎年度の具体的な税制改正内容を決めるのに対し、税制のあるべき姿の大きな方向性を示す。政権に配慮し、世論を二分しそうなテーマは議論を避ける傾向にある。答申に法的拘束力はない。
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国と地方の租税制度のあり方について調査・審議する内閣総理大臣の諮問機関。1959年(昭和34)に発足。内閣府設置法に基づく内閣府の審議会の一つである。正式名称は税制調査会であるが、自由民主党など政党の税制調査会と区別するため、政府税制調査会とよばれる。略称は政府税調。毎年、次年度の税制改正にあわせ、年末に税制改正の方向性を答申している。課税対象や税率の上げ下げなど具体的な改正内容は与党税制調査会が決定権を握っており、政府税調は中長期的視点にたって大きな税制改正の指針を示す役割を担っている。これまでに、1988年に納税者共通番号制(現在のマイナンバー制度)の必要性を、2007年(平成19)には消費税を社会保障財源の中核に位置づけると同時にその増税の必要性を、2015年には配偶者控除にかわって夫婦を対象にする夫婦控除の導入などを答申している。なお2009年から2012年までの民主党政権時代には、政府税調と与党税調を一元化し国会議員が委員を務める政府税調が税制改正を主導したが、うまく機能せず、自民党の政権復帰とともに、従来の中長期的な方向性を示す役割に戻った。
政府税制調査会は学者、経営者、自治体関係者ら30人以内の委員のほか、特別委員、専門委員で構成する。任期は3年で再任可能。トップは会長職で、初代会長を一橋大学名誉教授中山伊知郎が務め、以後、東京大学名誉教授東畑精一(とうはたせいいち)(在任1965~1974年)、元農林事務次官小倉武一(おぐらたけかず)(同1974~1990年)、慶応義塾大学名誉教授加藤寛(ひろし)(同1990~2000年)、一橋大学学長石弘光(いしひろみつ)(同2000~2006年)、元大阪大学教授本間正明(同2006年)、元日本経済研究センター会長香西泰(こうさいゆたか)(同2007~2009年)が歴任。民主党政権時代は財務大臣が会長職を務めた。現在は東京大学教授の中里実(2013年~)が務めている。運営事務は内閣府企画調整課、財務省主税局、総務省自治税務局が担う。
[矢野 武 2018年10月19日]
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