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政治意識 せいじいしき

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

政治意識
せいじいしき

政治および政治的事象に関する人々の態度,考え方,意見,関心,信念などの総体のこと。一般にはエリート政治意識より一般大衆のそれをさす場合が多い。欧米において上述の意味に相当する概念は政治的態度 political attitudesと呼ばれており,心理学における社会的態度のうち政治的事象に対する態度のことをさすが,特にこの用語は一般大衆の態度を意味している。

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デジタル大辞泉の解説

せいじ‐いしき〔セイヂ‐〕【政治意識】

政治に関するものの見方・意見・態度など主観的側面の総称。「国民の政治意識

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世界大百科事典 第2版の解説

せいじいしき【政治意識 political consciousness】

政党支持や政治的問題などについての意見や態度の総体を指していう。一部に,政治について知識が高く批判的な人について,政治意識が〈ある〉,あるいは〈高い〉という言い方が伝統的にあるが,学術用語としては一般的でない。 個別の政治問題についての意見や態度が,自由主義保守主義あるいは急進的や反動的というまとまりをもつという認識は,近代社会において常識的であった。しかし,参政権が〈財産と教養〉のある市民(ブルジョアジー)に制限されていた間は,こういう主義や態度の違いは,もっぱら思想や世界観という政治意識の自覚的・論理的部分に根ざすものとみなされた。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

政治意識
せいじいしき
political consciousness

一般に、政治に対する信念、態度、判断、思考、感情などの心理的事象および行動様式を政治意識という。英米の政治学では、人々が政治状況や事象に対してもつ選好や価値によって規定される心理的指向を政治的態度、政治的態度の表現形態を政治的意見・政治行動政治社会内の人々の行動を支配する基礎的な前提やルールを供給する態度・信条・感情の集合を政治文化と称しているが、政治意識の概念は、それらの諸概念にも対応する包括的概念である。このため、政治意識の分析は、政治哲学政治思想イデオロギー、政治的意見と世論、政治的イメージと政治的態度など広範囲にわたっているが、全体としては、〔1〕個人の政治意識、〔2〕集合的政治意識のタイプ、〔3〕政治意識の社会における分布とその効果などが問題とされる。
 政治意識の形成には、パーソナリティー、性格などの個人的要因、年齢、性別、職業、社会的地位、階級、帰属集団などの社会人口学的要因、文化的要因、歴史的要因などさまざまな因子が重層的に影響を与える。社会を構成する諸個人は、こうした因子を前提として、社会で一般に通用している政治的価値や態度を学習しそれらに同化していく政治的社会化や、支配者による政治的教化を通じて、固有の政治意識を形成する。また、こうした個人の政治意識を基本として、世論、政治風土、政治文化などの集合的な政治意識が形成されるのである。[谷藤悦史]

政治意識の過程と構造

個々の政治意識やそれらを基礎とした集合的政治意識は、政治的リーダー、政党、圧力団体、官僚、マス・メディアなどの諸制度を通じて政治体系内部の決定領域に伝達され、そこで、政策や決定に移し変えられる。こうした政策や決定は、権威や権力を伴って、政治社会を構成する個々人に伝達されるが、個人は、こうした政策や決定に応じて、さらに新たな政治意識を形成することになる。このような流動的なサイクルを、政治意識の動態的側面あるいは過程的側面と称している。しかし、政治意識は、絶えず変化し流動化している一方で、個人や社会内部で固定化、安定化する側面をもっている。これを、政治意識の静態的側面あるいは構造的側面と称している。安定化し固定化した政治意識は、政治的意見、イデオロギー、政治思想、政治哲学など、さまざまな形で表現されるが、それらは相互に構造的な連関性をもっている。
 たとえば、政治意識を無自覚的部分(未組織的部分)から自覚的部分(組織的部分)へと至る軸で配列すると、政治的性格・パーソナリティー、政治的態度、政治的意見・世論、政治思想・政治哲学、イデオロギー、政策・計画というように相互に連関しながら重層的に構造化されているといえよう。ドイツの社会学者アドルノは、権威主義に対して同調的な人々のパーソナリティーは、反民主主義的なイデオロギーを受容しやすいと指摘しているが、こうした指摘は、政治意識の重層的な相互連関性を明らかにするものである。[谷藤悦史]

政治意識の型

政治社会の形態が異なれば、必然的に政治意識の形態も異なることから、政治社会との関連でさまざまな政治意識の形態が指摘されている。封建的身分制などが制度化され、支配者と被支配者の間を分離し、固定化しているような伝統的社会では、政治は、君主や貴族など一握りの人々の関心事であり、多くの人々は、政治はだれか他人の仕事であるという意識、伝統的無関心が支配的であった。封建制の解体とともに登場した中産階級が、市民として政治社会の主要な担い手となった近代社会では、幼少年期に植え付けられた良心に従って、財産、権力、知識、技能、名誉などの価値を絶えざる努力によって獲得することが、自己の能力を証明することであり、自己を実現することであるという意識が台頭する。政治に関与し、政治権力を獲得することも、自己実現のためというようなある種の使命感をもってとらえられることになる。産業化、都市化を背景として大量の人々が政治に参加するようになった現代社会では、政治が社会内部に広く浸透した結果、多様な政治意識が出現する。アメリカの社会学者リースマンは、現代の政治意識を、ある種の使命感をもって政治に関与していた人々が、現代社会に適応できず欲求不満に陥り抵抗を試みるような憤慨型、政治不満から身を遠ざけるのではなく、希望を抱きながら政治に関与する熱心型、政治を理解することだけに興味を抱く内幕情報屋型、政治情報や政治知識をもっていながら政治にかかわりをもたない現代的無関心型の四つのタイプに類型化している。とりわけ組織の巨大化、官僚制化のなかで、政治的無関心が広く浸透しているのが、現代の特徴であるといえよう。[谷藤悦史]
『京極純一著『政治意識の分析』(1968・東京大学出版会) ▽永井陽之助著『政治意識の研究』(1971・岩波書店) ▽小林良彰・谷藤悦史他著『現代政治意識論』(1984・高文堂出版社) ▽D・リースマン著、加藤秀俊訳『孤独な群衆』(1964・みすず書房)』

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