明治の文明開化のころに盛んに行われた男子結髪の一種。斬切とも書き、「じゃんぎり」、開化頭ともいわれる。ちょんまげ(本多髷(ほんだまげ))にかわる欧化風の結髪で、当時「散切頭をたたいてみたらば文明開化の音がする」と歌われたくらいで、当時の文明開化のシンボルでもあった。この形は、額の中央から左右に分けて、鋏(はさみ)で短く切ったものである。外人は日本の髷が頭上に短刀を置いた形に見えたところから、本多髷を嫌い、散切、断髪にすることを勧めた。このため明治新政府は、1871年(明治4)に散髪令を出して、庶民はみな散切にすることを命じた。しかし、散切の普及はなかなか徹底せず、10年以上の年月を要したほどである。
[遠藤 武]
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…ジャンギリ頭をたたいて見れば文明開化の音がする〉という流行歌が紹介された。半髪とはいわゆる丁髷で,惣髪は月代をなさずまとめた髪,ジャンギリは髪を散切(ざんぎり)にしたものである。1873年(明治6)3月の天皇の散髪を契機として,同年には東京人の75%は散髪をしたという。…
※「散切」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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