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散田 さんでん

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

散田
さんでん

(1) 律令制下では,公田 (→口分田 ) などに対して,寺田,神田,私墾田など国家にとって本来の姿でない田地をいう。 (2) 荘園制下では,荘園領主が農民に請作 (うけさく) させ,地子を取る領主直属田をいった。

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デジタル大辞泉の解説

さん‐でん【散田】

平安時代、荒廃田・損田など、本来の姿を失った田地。
荘園領主直属の田地。作人に請作(うけさく)させて地子(じし)をとった。
近世、農民の死亡・逃散(ちょうさん)、または没収などによって、耕作者がいなくなった田地。

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世界大百科事典 第2版の解説

さんでん【散田】

荘園領主の直属地。原義は〈田を散ずる〉行為を意味し,荘園領主が毎年耕作期に請作農民に対し荘田の割当てを行うことを〈散田〉と称した。例えば《東寺文書》承平2年(932)10月25日付〈伊勢大神宮司解案〉には東寺の寺使真演が川合・大国荘に派遣されたおり,〈田を諸田堵に散ぜしめおわんぬ〉とあり,田堵に〈田を散ずる〉ことが荘田の割当てを意味したことをうかがわせる。同時にこれが荒田防止の意味をもつことはいうまでもない。

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大辞林 第三版の解説

さんでん【散田】

本来の姿を失った田。荒廃田・損田・無主田、公田に対する私有田など。
平安中期以降、荘園領主が農民に田を割り当てて請作させること。また、その田。原則として一年ごとに更新した。
江戸時代、農民の死亡・逃散ちようさんなどによって耕作者のいなくなった土地。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

散田
さんでん

本来は「田を散らす」意で、田地を農民に割り当てること。未墾地の占定とその開発に始まる古典的荘園(しょうえん)においては、土地そのものは荘園領主の有するものであり、荘田は散田されるのを原則とした。しかし、やがて性格の異なった荘園が成立し、その経営形態も変化するに伴い、領主が自由に散田することのできない荘田が出現するようになると、領主が農民に割り当てることのできる土地は領主の直属地に限定されるので、散田は領主直属地を意味するようになったといわれているが、なお不明な点が多い。
 さらに中世後期から近世においては、没収または農民の死亡・逃亡によって耕作者のいなくなった土地も、領主が没収して直属地としたため、散田といわれたという。荒廃地を散田という場合もあった。[中野栄夫]

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世界大百科事典内の散田の言及

【請作】より

…これは当時〈力田之輩〉とか〈有能借佃者〉〈堪百姓〉などと呼ばれる有力農民=田堵(たと)の成長が見られたのに応じて,律令国家・国衙や荘園領主が彼らに田地を割り当てて耕営せしめ,地子(じし)を弁進させた経営方式である。この場合,領主側が土地をあてがうことを〈散田(さんでん)〉と称し,これに対して田堵は当該田地を預かり相違なく地子を弁進する旨誓約した文書=請文(うけぶみ)を提出して耕営に従事したのであり,これが請作である。請作者の請作地に対する占有用益権を〈作手(つくて∥さくて)〉と呼んだ。…

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