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断腸亭日乗 だんちょうていにちじょう

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世界大百科事典 第2版の解説

だんちょうていにちじょう【断腸亭日乗】

永井荷風の日記。1917年9月16日から死の前日59年4月29日におよぶ42年間の記録。起筆当時の住居〈断腸亭〉の名にちなむ命名である。ほぼ起筆当時から自覚的態度によって執筆されている。住いの面からいえば,大久保余丁町から麻布偏奇館への移居,罹災,岡山疎開,敗戦,熱海から市川定住にいたるものである。簡潔な行動記録の枠組みの中に,季節感をみごとにとらえた叙述があり,世相,風俗,時局についての観察,感想,批判が語られており,漢詩文や江戸文人たちの著作への感想や記録があり,また女たちとの多彩な閲歴を物語る記載も見える。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

断腸亭日乗
だんちょうていにちじょう

永井荷風(かふう)の日記。1917年(大正6)9月16日から死の前日59年(昭和34)4月29日に至る42年間の記録。46年3~6月の『新生』掲載の「罹災(りさい)日録」で注目され、その後『中央公論』などに数次発表、また刊行された。起筆当時の住居「断腸亭」にちなむ命名。傍観者的な眼(め)によって、四季の風物、時勢のようす、風俗の推移、女たちとの交渉の顛末(てんまつ)、読書感想などが記されている。記録者の「偏奇」を貫く強烈な個性が、観察のいちいちに沁(し)み透(とお)っている。しかし、45年(昭和20)3月10日東京大空襲・偏奇館(その後の住居)炎上に始まる罹災日記は、一個の特異な文学者の記録であるだけでなく、国民的体験を写し残したものというべきであろう。[竹盛天雄]
『『永井荷風日記』全七巻(1958~59・東都書房) ▽『断腸亭日乗』全七巻(1980~81・岩波書店)』

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