日本大百科全書(ニッポニカ) 「新富」の意味・わかりやすい解説
新富(町)
しんとみ
宮崎県中部臨海、児湯郡(こゆぐん)にある町。1959年(昭和34)新田(にゅうた)、富田(とんだ)の2村が合併して町制施行。一ツ瀬川(ひとつせがわ)河口左岸に位置し、沖積平野と洪積台地が広い面積を占める。一ツ瀬川河口付近には砂州が発達する。JR日豊(にっぽう)本線、国道10号、東九州自動車道が通る。洪積台地の西端部には新田原古墳群(にゅうたばるこふんぐん)(国指定史跡)があり、西都市の西都原(さいとばる)とともに古代古墳文化の中心をなす。荘園(しょうえん)も富田荘(とんだのしょう)、国富荘(くどみのしょう)新田の記録がある。江戸時代は佐土原藩(さどわらはん)領。農業が中心で、トマト、キュウリ、ピーマンなどの促成栽培が、台地上では畜産が盛んである。洪積台地新田原には航空自衛隊新田原基地がある。湯ノ宮(ゆのみや)の座論梅(ざろんばい)(国指定天然記念物)はウメの名所として、また富田浜海岸はアカウミガメの産卵地として知られる。面積61.53平方キロメートル、人口1万6564(2020)。
[横山淳一]
『『新富町史』(1992・新富町)』