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方法叙説 ほうほうじょせつ

百科事典マイペディアの解説

方法叙説【ほうほうじょせつ】

デカルトの代表的著作。《方法序説》とも。1637年刊。デカルトが自らの哲学体系を示すために,《屈折光学》《気象学》《幾何学》の3試論の総序として書いたもの。6部からなる学問的自伝の形をとっており,独立して広く読まれるようになった。

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世界大百科事典 第2版の解説

ほうほうじょせつ【方法叙説 Discours de la méthode】

41歳のデカルトが初めて世に問うた作品で,その代表作の一つ。《方法序説》との訳語もある。《屈折光学》《気象学》《幾何学》の三つの〈試論〉とともに,その序文として1637年に刊行された。全体は6部からなり,デカルトの精神的自叙伝とその思想の概略を内容とする。すなわち第1部は良識(理性)が万人に共通であるという宣言に始まり,彼が学校の学問に失望した理由を語りながら既成の学問を批判する。第2部では1619年にドイツの〈炉部屋〉で発見した方法の規則が,第3部では同時期に体得した道徳の格率が述べられる。

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世界大百科事典内の方法叙説の言及

【コギト】より

…コギトはもともと〈考える〉とか〈意識する〉という意味のラテン語cogitareの一人称単数形にすぎないが,今日ではむしろ〈自己意識〉を含意し,精神や自我の本質を自己意識に見ようとする立場と結びつけて語られる。かつてデカルトが《方法叙説》(1637)の中で,絶対不可疑の真理を発見すべく,まずあらゆるものを疑ってみるという〈方法的懐疑〉から出発し,その結果〈そう考えている私は何ものかでなければならぬ〉として〈われ思う,ゆえにわれ在りJe pense,donc je suis〉の命題に到達し,これを〈哲学の第一原理〉と呼んだことに由来する(コギト・エルゴ・スムcogito,ergo sumはその命題のラテン語訳)。以来,精神や自我とコギトとのかかわりをめぐってさまざまな論議が戦わされて今日に至っている。…

【数学】より

…今日の先進文化圏の日常生活は本質的に科学技術に依存している。それをさほど目だたぬところで背後から支えているのが数学である。例えば都市生活の基盤となっている電気,ガス,水道,道路,あるいは鉄道,自動車,航空機などの交通機関,電話,テレビなどの通信機関,人工衛星やコンピューターなど,いずれも数学を用いずに設計製作することはできない。数学はこのように文化生活の基礎をなすものであるが,それ自身高度な学問として研究され,世界の数学者の協力により絶えず進歩を続けている。…

【生命】より

…かれこそ生命現象の因果的理解の観念を科学の中に据え,近代生命科学を出発点につかせた学者であった。デカルトの生命機械論は《方法叙説》や《人間論》に述べられている。かれは動物を〈ゼンマイをまいた自動機械〉であるとし,つまり中世末期以来発達してきたゼンマイ時計と比較している。…

【デカルト】より

…オランダでの〈最初の9ヵ月〉は形而上学的思索に専念したが,ローマで観察された幻日現象の報告をきっかけに自然学の研究に移り,33年には《光論》と《人間論》とから成る《宇宙論》を完成した。しかし同年のガリレイ断罪を知ってその発表を断念し,代りに《屈折光学》《気象学》《幾何学》の三つの〈試論〉に,序文として《方法叙説》を付けて37年に刊行した。このうち《幾何学》は幾何学と代数学を結合して解析幾何学を(フェルマーとともに)創始した業績として知られている。…

※「方法叙説」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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