原発の使用済み核燃料を再利用する国策「核燃料サイクル」を担う民間企業で、原発を持つ大手電力9社と日本原子力発電が大半を出資。本社がある青森県六ケ所村に、使用済み燃料の再処理工場やウラン濃縮工場など主要施設が立地する。再処理工場は昨年、原子力規制委員会の審査に合格し、2022年度上半期の完成を目指している。役員の多くを電力出身者が占め、歴代の社長は東京電力出身。現在の
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核燃料サイクルの商業利用を目的に、原子力発電所から出る使用済み核燃料の再処理業務を受託する民間株式会社。略称は「原燃」、または英語Japan Nuclear Fuel Limitedの頭文字をとって「JNFL」とよばれる。電力会社や日本原子力発電などが出資して1980年(昭和55)に日本原燃サービスとして発足し、1992年(平成4)に日本原燃産業(1985年発足)と合併して現在の名称となった。使用済み核燃料から再利用できるウランとプルトニウムを取り出す再処理のほか、ウラン濃縮、低レベル放射性廃棄物の埋設、高レベル放射性廃棄物の中間貯蔵、ウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料の製造、海外再処理に伴う回収燃料の一時保管、ウラン・低レベル放射性廃棄物・試用済み燃料の輸送などの業務を担ってきた。ただ事業の中核である使用済み核燃料の再処理工場については1993年に着工したものの、何度もトラブルを起こし、2011年(平成23)の東京電力福島第一原子力発電所事故後には安全基準が厳しくなったこともあって、20回以上稼動を延期してきた。このため国は2016年、再処理事業の主体となる認可法人「使用済燃料再処理機構」を設立し、国の関与を強めることで核燃料サイクルの事業化を着実に進める姿勢を打ち出した。この結果、日本原燃は再処理業務などを使用済燃料再処理機構から受託する会社となった。
日本原燃の本社は合併当初、青森市にあったが、2003年に青森県上北(かみきた)郡六ヶ所(ろっかしょ)村に移転した。2017年7月時点で資本金は4000億円、9電力会社と日本原子力発電のほか74社が出資。従業員は約2600人で、このうち約1600人が青森県出身者。六ヶ所村にウラン濃縮工場、高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センター、低レベル放射性廃棄物埋設センターなどを保有。再処理工場の完成は2018年の予定で、稼動すれば年間800トンの使用済み核燃料を再処理できる。また2019年上期の稼動を目ざしてMOX燃料工場などの建設も進めている。
[矢野 武 2017年10月19日]
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