日本原子力発電(読み)にほんげんしりょくはつでん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

日本原子力発電
にほんげんしりょくはつでん

商業用原子力発電の開発会社。 1957年9電力会社,電源開発株式会社,民間の原子力関係会社が共同出資して設立。 66年イギリスで開発されたコールダーホール改良型の東海発電所1号機 (1号炉,1960着工,出力 16万 6000kW) が運転開始,70年アメリカのゼネラル・エレクトリック製の沸騰水型軽水炉敦賀発電所1号機 (2号炉,出力 35万 7000kW) が運転開始,78年2号炉と同型の東海発電所2号機 (3号炉,72年着工,出力 110万 kW) ,87年には加圧水型軽水炉敦賀発電所2号機 (4号炉,116万 kW) の営業運転開始。年間売上高 1831億 3100万円,資本金 1200億円,従業員数 1599名 (1999) 。

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知恵蔵の解説

日本原子力発電

日本唯一の原子力発電専業会社。敦賀発電所(福井県)と東海第二発電所(福井県)に計3基の原子炉を所有、関連会社として青森県むつ市にリサイクル燃料貯蔵株式会社を持つ。正式名称は日本原子力発電株式会社、略称及び愛称を「原電」または「げんでん」という。原子力発電の開拓企業化のために原子力発電所の建設、運転・電力供給を行うとともに、原子力発電所に関する調査、設計、工事監督、建設、運転及びその他の技術援助等に関する事業を営むことを目的とする。ベトナム電力公社との原子力発電導入可能性調査(FS)に関する契約に調印したり、アジア諸国などから研修生を迎えたりといった技術協力も行っている。
日本最大の卸電気事業者である電源開発株式会社(J-POWER)の発電所は火力・水力のみであるため、原子力による卸電気事業者としては原電が日本唯一のものとなる。1957年に電力9社(沖縄電力以外の全ての一般電気事業者)と、その当時政府の配下にあった電源開発を株主として設立された。その後、いずれも日本最初の画期となる原発を次々に建設した。66年には茨城県東海村に日本初の商用原発(黒鉛減速ガス冷却炉)の運転を開始。70年には初の商用軽水炉である敦賀発電所1号機(沸騰水型軽水炉)、78年には初の大型原子力発電所東海第二発電所(110万キロワット)、87年には初の国産改良標準型軽水炉敦賀発電所2号機(加圧水型軽水炉)の営業運転を開始している。98年には、老朽化した東海発電所原子炉の運転を停止し、2020年までに廃炉(廃止措置工事を行う)とする予定。これが初の商用原子炉の廃炉となる。また、敦賀発電所にはツイン型(2基一体型)プラントを採用した3、4号機の建設を目論んでいる。
11年3月には、東北地方太平洋沖地震による被害で東海第二が停止した。12年1月には、09年に廃炉を予定しつつも延命となった敦賀1号機が定期検査により停止。同年5月には敦賀2号機が放射性ガス漏洩(ろうえい)などにより停止したまま定期検査に入った。以降、現在(13年1月時点)まで同社の発電所は全て停止したままとなっている。それにもかかわらず、電力各社から受け取る「基本料金」の収入などで、12年度9月中間決算では黒字を計上した。12年12月には原子力規制委員会が、敦賀2号機直下活断層がある可能性を指摘し、廃炉の可能性が濃厚となっている。このため同社の存続が危ぶまれるばかりか、経営難を理由に値上げを企てる電力各社が廃炉費用も負担することになる。経営破綻により国有化するにせよ電力各社が引き取るにせよ、いずれにしても全て国民の負担となるのは避けられず、これまでの原子力政策のあり方についての責任が問われている。

(金谷俊秀  ライター / 2013年)

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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

日本原子力発電

電力各社が出資して1957年に原発専業の電力卸会社として設立。66年、茨城県で国内初の商業用原子炉・東海原発(廃炉作業中)の営業運転を始めた。東京、関西、東北、中部北陸の5電力会社に電気を販売。歴代の社長は東電、関電の出身者が務めている。2月には、日本原電常務が原子力規制庁審議官(当時)に働きかけ、敦賀原発の断層調査にかかわる公表前の報告書案を受け取っていたことが発覚した。

(2013-02-19 朝日新聞 夕刊 1総合)

日本原子力発電

1957年設立。株主には東京電力ホールディングスや関西電力など大手電力会社が並ぶ。原発専業会社として電力会社に原発の電気を売ってきたが、東京電力福島第一原発事故後は全原発が止まり、経営難に陥った。現在は廃炉事業や海外原発事業も模索する。

(2017-12-24 朝日新聞 朝刊 経済総)

日本原子力発電

1957年設立の原発専業会社。株主に東京電力ホールディングスや関西電力など大手電力会社が並ぶ。保有する4原発のうち東海原発、敦賀原発(福井県)1号機は廃炉作業中。敦賀2号機は原子炉建屋の直下に活断層が存在する可能性が指摘され再稼働が厳しい情勢で、東海第二の再稼働が経営の浮沈を握っている。

(2018-03-30 朝日新聞 朝刊 2総合)

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デジタル大辞泉の解説

にほん‐げんしりょくはつでん【日本原子力発電】

原子力発電所の建設・運転および電気の供給などの事業を行う卸電気事業者東海発電所(平成10年(1998)運転終了)・東海第二発電所敦賀発電所を運営する。東京電力など電力会社9社と電源開発が出資して昭和32年(1957)に原子力発電専門の電力会社として設立された。原電。日本原電。JAPC(Japan Atomic Power Company)。

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日本の企業がわかる事典2014-2015の解説

日本原子力発電

正式社名「日本原子力発電株式会社」。略称「げんでん」。英文社名「The Japan Atomic Power Company」。電力会社。昭和32年(1957)設立。本社は東京都千代田区神田美土代町。原子力発電所の建設・運営と電力の供給を行う。茨城県東海村と福井県敦賀市に原子力発電所を所有。

出典 講談社日本の企業がわかる事典2014-2015について 情報

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