デジタル大辞泉 「日本取引所グループ」の意味・読み・例文・類語
にっぽんとりひきじょ‐グループ【日本取引所グループ】
[補説]東京証券取引所グループと大阪証券取引所(現大阪取引所)が平成25年(2013)1月に経営統合して発足。令和元年(2019)10月、東京商品取引所を子会社化した。
東京証券取引所と大阪証券取引所が2013年1月に経営統合してできた持ち株会社。上場企業の株式や上場投資信託(ETF)などの取引市場を運営する東証と、デリバティブ(金融派生商品)を取り扱う大阪取引所などを傘下に置く。18年3月期連結決算は、売上高に当たる営業収益が1207億円、純利益は504億円。従業員数は18年3月末で1093人。
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出典 共同通信社 共同通信ニュース用語解説共同通信ニュース用語解説について 情報
株式、先物(さきもの)・オプション、商品先物などの金融商品を扱う日本の総合取引所。取引所を統括する持株会社であり、傘下に東京証券取引所、大阪取引所、東京商品取引所をもつ。英語名称、Japan Exchange Group, Inc.で使用される文字をとってJPXと略称する。傘下取引所が扱う金融商品は、内外の株式から、上場投資信託(ETF)、不動産投資信託(REIT)、株価指数先物、債券先物、電力先物、有価証券オプション、貴金属、ゴム、アルミニウム、エネルギー、農産物・砂糖などの商品先物まで広範である。傘下には、日本取引所自主規制法人もあり、公正な売買・取引を確保し投資家を保護するため、金融商品の上場・上場廃止の決定や、会員の法令遵守状況の調査などの自主規制業務も行う。
海外では株式や商品などを一体で運用する機関投資家が多く、総合取引所がこの受け皿となっている。日本では東京、大阪、名古屋など地域別に証券関連取引所が存在し、これとは別に商品先物を扱う東京商品取引所があり、それぞれの取引資格を満たし、各取引所に取引参加料を払うなど、投資家にとって使い勝手の悪い状態が長く続いていた。このため日本政府は2007年(平成19)、株式、先物・オプション、商品先物を一括して扱う総合取引所構想を提唱。まず2013年に現物株に強い東京証券取引所グループ(東証グループ)と先物に強みをもつ大阪証券取引所(大証)が統合して日本取引所グループが発足。2019年(令和1)に東京商品取引所を傘下に収めた。この間、2013年に東証に現物株式市場を、2014年には大証にデリバティブ(金融派生商品)市場を集約し、大証を大阪取引所に商号変更した。2020年に貴金属、農産物などの商品先物を大阪取引所へ移管して日本初の総合取引所とし、東京商品取引所は原油などのエネルギー取引所とした。2021年に大阪取引所と東京商品取引所の夜間取引時間を延長し、2022年に東証4市場を優良銘柄中心の「プライム」、中堅企業などを含む「スタンダード」、新興企業の「グロース」に再編、2024年度下期に東証の取引時間を30分延長する方針を決め、海外資金の呼び込み、国際競争力の向上に努めている。なお日本取引所の発足で、札幌、名古屋、福岡の3取引所の存在感は低下している。所在地は東京都中央区日本橋兜町(かぶとちょう)、資本金115億円、従業員数は1197人(2021年3月時点)。
[矢野 武 2022年3月23日]
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