日本育英会(読み)ニホンイクエイカイ

デジタル大辞泉 「日本育英会」の意味・読み・例文・類語

にほん‐いくえいかい〔‐イクエイクワイ〕【日本育英会】

国の育英事業を行った特殊法人。昭和18年(1943)財団法人大日本育英会として設立。昭和19年(1944)日本育英会と名称を変更。経済的理由就学困難な高等学校以上の優秀な学生生徒学資を貸与し、教育機会の保障人材育成を図ることを目的としていた。平成16年(2004)日本国際教育協会AIEJ)、内外学生センターなどの事業と整理・統合され、独立行政法人日本学生支援機構JASSOジャッソ)となった。

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精選版 日本国語大辞典 「日本育英会」の意味・読み・例文・類語

にほん‐いくえいかい‥イクエイクヮイ【日本育英会】

  1. 日本の育英事業を行なった特殊法人。高校大学大学院の優秀な学生・生徒で経済的事情修学困難なものに学資を貸与し、教育の機会均等、人材の育成を図るのを目的とした。昭和一八年(一九四三)大日本育英会として発足、同二八年に改称。平成一六年(二〇〇四廃止され、その事業は独立行政法人日本学生支援機構に引き継がれた。

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大学事典 「日本育英会」の解説

日本育英会
にほんいくえいかい

1943年(昭和18)に財団法人大日本育英会として創立され,44年に大日本育英会法(昭和19年法律第30号)公布施行により特殊法人として発足した。その後,1953年に日本育英会に名称を変更し,2004年(平成16)に日本学生支援機構に統合された。おもな制度の変更としては,1984年の有利子奨学金制度の導入(日本育英会法の全部改正,昭和59年法律第64号),98年の教育職に従事したときの奨学金の返還免除の廃止(大学院で受けた奨学金を除く)など,99年の「きぼう21プラン奨学金」(第2種奨学金)創設による貸与人員の大幅増や採用基準の緩和,貸与月額の選択性の導入などの改善,「緊急採用奨学金制度」(第1種奨学金)の創設(家計急変者を対象とした無利息の奨学金),2003年の「入学時特別増額貸与奨学金制度」(第2種奨学金)創設などがあり,現在も継続している。
著者: 小林雅之

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百科事典マイペディア 「日本育英会」の意味・わかりやすい解説

日本育英会【にほんいくえいかい】

国家的育英事業を実施する特殊法人として1943年創設。本部東京。1944年日本育英会法制定。高等学校以上の学生・生徒を対象に出願者を一定基準で選考し,奨学金(財源は国費。学業終了後20年以内に年賦返還)を毎月貸与する。教育職等に所定期間ついた者は返還免除。2002年度の奨学生は,高校生約11万人,大学生約53万人,大学院生約7万4000人などで,奨学金の総額は約5225億円。2004年4月,日本国際教育協会(1957年設立)など他の4組織と統合されて,独立行政法人・日本学生支援機構に改組され,従来の日本人学生への奨学金貸与のほか,来日留学生への奨学金給付,留学生交流事業なども行うこととなった。
→関連項目奨学制度

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「日本育英会」の意味・わかりやすい解説

日本育英会
にほんいくえいかい

日本育英会法に基づき、経済的理由から修学困難な優秀学生に学資貸与等の育英事業を行った特殊法人。1943年(昭和18)大日本育英会として設立。1953年(昭和28)名称を日本育英会と変更。2004年(平成16)3月末に廃止となり、日本育英会で行っていた学生への奨学金貸与の事業は、同年4月に設立された文部科学省所管の独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)に継承された。

[編集部]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「日本育英会」の意味・わかりやすい解説

日本育英会
にほんいくえいかい

国家的育英奨学機関。 1943年財団法人大日本育英会が設けられ,翌年「大日本育英会法」の制定により特殊法人となった。 1953年同法の一部改正により,日本育英会と改称。同会は,優秀な資質をもちながら経済的理由により修学の困難な学生,生徒に対して学資を貸与し,国家有用の人材を育成することを目的とした。 2004年,独立行政法人化に伴い,日本学生支援機構へと改編された。 (→奨学制度 )

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世界大百科事典(旧版)内の日本育英会の言及

【奨学制度】より

…第2次大戦前の日本の師範学校における給費制度も,師範学校生へ生活費を含む学費を支給するものであったが,それは陸海軍学校の給費生制度とならんで国家的人材養成の特殊な型態として行われたものであり,これら諸外国の奨学制度と同列に扱うことは不適当である。 現在,日本では日本育英会法による奨学制度が主たるものであり,国費をもって運用されている。現行制度の主たる性格は機会均等型に属するものとみなしうるが,日本育英会は1943年に創設され,〈国家有用ノ人材ヲ育成スルコト〉を目的として掲げ,今日に至っており,人材確保型の性格を強く残している。…

※「日本育英会」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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