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日露協約 にちろきょうやくRusso-Japanese Agreement

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

日露協約
にちろきょうやく
Russo-Japanese Agreement

日露戦争後の 1907年から第1次世界大戦中にかけて4回にわたって結ばれた極東における日本とロシア間の利益範囲を定めた協約日英同盟と並んで,第1次世界大戦前および大戦中における日本外交の根幹となった。 07年7月第1次日露協約は相互領土保全,清国の独立および領土保全を約し,公表されなかった秘密協約のなかで,日本の南満州での権利,ロシアの北満州での権利を相互に承認し,また日本の朝鮮に対する特別の関係とロシアの外モンゴルにおける特殊権利をそれぞれ認め合った。 10年7月の第2次協約,12年7月の第3次協約を経て 16年7月の第4次協約にいたると,中国全土を両国の利益範囲に入れるまでに拡大強化され,実質的には軍事同盟となったが,ロシア革命によって廃棄された。

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デジタル大辞泉の解説

にちろ‐きょうやく〔‐ケフヤク〕【日露協約】

明治40年(1907)から大正5年(1916)にかけて、4回にわたって日本とロシアとの間で結ばれた協約。米英の中国進出に対応する目的で、中国における両国の利権擁護勢力範囲を設定した。

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百科事典マイペディアの解説

日露協約【にちろきょうやく】

日露戦争後の4次にわたる協約。(1)第1次。1907年7月調印。満州での相互の特殊利益と,日本の朝鮮,ロシアの外蒙古に対する特殊利益を相互に承認。(2)第2次。1910年7月調印。米国の満鉄中立化案に対抗して満州の現状維持と鉄道利益確保に関する相互協力を約す。(3)第3次。1912年7月調印。4国借款団の満州進出や辛亥(しんがい)革命などに対応して,内蒙古における両国の利益範囲を分割。(4)第4次。1916年7月調印。両国に敵意をもつ第三国の中国進出を防ぎ,戦争の場合の相互援助と単独不講和を約す。 いずれも1917年のロシア革命後,革命政権により廃棄。
→関連項目小村寿太郎林董

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世界大百科事典 第2版の解説

にちろきょうやく【日露協約】

1907年から17年までの4回にわたる,日本とロシアとの間の東アジアをめぐる勢力範囲分割の条約。(1)1907年7月30日,駐露大使本野一郎とロシア外相A.P.イズボリスキーとの間で調印。日露戦争後の満州(中国東北地方)独占化を図る日本と市場の開放を要求し資本投資を活発化させたアメリカとの対立が表面化するのに反比例して,日露の協調が進み,この協定が生まれた。公表条項では,東アジアにおける現状維持,清国の領土保全と機会均等を声明したが,秘密条項で満州における勢力範囲を分割し,また日本の朝鮮支配とロシアの外蒙古支配を相互に認め合った。

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大辞林 第三版の解説

にちろきょうやく【日露協約】

日露戦争後、日本とロシアの間で結ばれた協約。1907年(明治40)以後四次にわたり締結。満州・蒙古・朝鮮に関する日露両国の勢力範囲を承認したもの。17年ロシア革命により破棄。日露協商。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

日露協約
にちろきょうやく

日本とロシアが英米の東アジア進出に対抗する目的で、1907年(明治40)から16年(大正5)まで4回にわたり締結した協約。日露戦後からワシントン体制成立までの日本外交の基本路線を日英同盟とともに規定した。07年7月30日調印の第1回協約は、秘密条項で南北満州(中国東北)を相互に勢力範囲とすることを約すとともに、韓国と外蒙古(そともうこ)に日露がそれぞれ特殊利益を有することを承認しあった。10年7月4日調印の第2回協約は、満州の現状維持と特殊権益防衛に相互援助することとし、12年7月8日調印の第3回協約で内蒙古の勢力範囲を画定した。16年7月3日調印の第4回協約は、適用範囲を従来の満蒙から全中国に拡大し、日露両国に敵意をもつ第三国の対華支配を防ぎ、戦争の際の援助と単独不講和を約した秘密同盟条約を中核とするが、ロシア革命により消滅した。17年革命政府が、第三国とは英米両国をさすという注釈付きで第4回協約を公表したため、世界は大きな衝撃を受けた。[藤村道生]
『鹿島守之助著『帝国外交政策の基本政策』(『日本外交政策の史的考察』所収・1938・鹿島研究所) ▽田中直吉著『日露協商論』(神川先生還暦記念編集委員会編『近代日本外交史の研究』所収・1956・有斐閣)』

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