早馬(読み)ハヤウマ

デジタル大辞泉 「早馬」の意味・読み・例文・類語

はや‐うま【早馬】

早打ち4使者が走らせる馬。また、その使者。
速く走る馬。

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精選版 日本国語大辞典 「早馬」の意味・読み・例文・類語

はや‐うま【早馬】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 早打(はやうち)の使者の乗る馬。急使の馬。また、その馬に乗る急使。
    1. [初出の実例]「福原へ早馬をもって申けるは」(出典:平家物語(13C前)五)
  3. はやく走る馬。よく走る馬。駿馬
    1. [初出の実例]「この男、忍びたるものから、はやむまと思はぬ人の、まと思ひに思ひて住むぞ、ありける」(出典:平中物語(965頃)三四)

はや‐ま【早馬】

  1. 〘 名詞 〙
  2. はやうま(早馬)俚言集覧(1797頃)〕
  3. 牛馬の神。また、その神の祭に行なわれる競馬(くらべうま)鹿児島県でいう。

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日本歴史地名大系 「早馬」の解説

早馬
はやうま

[現在地名]浜松市早馬町・常盤町ときわちよう八幡町はちまんちよう北田町きたたまち

浜松城の東方町人町の早馬町を南北から挟み込むように位置する武家屋敷地中世引間ひくま宿の地ともいわれる。元禄(一六八八―一七〇四)頃の青山家御家中配列図(浜松市博物館蔵)では屋敷数五五、地内をしん川が流れる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

改訂新版 世界大百科事典 「早馬」の意味・わかりやすい解説

早馬 (はやうま)

一般には,急使の馬,またその馬に乗る急使などを意味し,早打(はやうち)などとほぼ同義である。中世とくに鎌倉時代に頻出し,またこの時代にはやや特殊な歴史的意味がある。鎌倉幕府開創当初から鎌倉・京都間の東海道に,蒙古襲来後は,京都から山陽道さらに博多まで駅逓(えきてい)制度を設けたが,これは馬によって迅速な通信連絡を図るものであるから,早馬制度ということができる。1261年(弘長1)東海道の宿々に2疋の早馬を常備させたが,その最短速度は,鎌倉・京都間で3,4日,京都・博多間が6,7日ときわめて速く,この制度が鎌倉幕府の安定,強化に役立った点は計り知れない。早馬は早馬役,早打役などとも呼ばれ,御家人の負担で,京都大番役などに次ぐ重要な御家人役であった。鎌倉幕府の崩壊とともに駅逓制度も消滅し,その後,早馬は単に馬に乗る急使などの一般的意味に用いられた。
駅伝制
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