晋州(読み)しんしゅう(その他表記)Chinju

改訂新版 世界大百科事典 「晋州」の意味・わかりやすい解説

晋州 (しんしゅう)
Chinju

韓国,慶尚南道南部の都市。人口33万9791(2000)。洛東江支流である南江中流の盆地に位置する。南に川を臨み,山地を背にした自然の要塞地で,古くから軍事拠点とされた。義妓論介逸話で知られる矗石楼(ちくせきろう)や晋州城趾など壬辰倭乱文禄・慶長の役)の戦跡が残されている。李朝末期,壬戌(じんじゆつ)民乱(1862)の発火点となった晋州民乱の地としても知られ,早くから商業的発展の進んだ地域であった。1896-1925年,慶尚南道庁が置かれた。1905年に鉄道が開通して以後,いっそう商業が盛える一方,醸造織物工業等も発達し,市街地が南江南岸に広がっていった。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「晋州」の意味・わかりやすい解説

晋州
しんしゅう / ジンジュ

韓国(大韓民国)、慶尚南道(けいしょうなんどう/キョンサンナムド)南西部にある都市。面積712.84平方キロメートル、人口33万9413(2000)。1949年、市に昇格。95年、晋陽郡と統合。南江が東から西へ流れる。米、タバコ果物などを産し、繊維機械化学工業が発達している。南江の河畔には、晋州城(復元)や国立晋州博物館などがある。ほかに智異山や閑麗(かんれい)海上国立公園への観光の玄関口にもなっている。慶尚大学、晋州教育大学がある。

[邢 基 柱]

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百科事典マイペディア 「晋州」の意味・わかりやすい解説

晋州【しんしゅう】

韓国,慶尚南道の南西部,洛東江の支流,南江の流域にある都市。1925年まで慶尚南道の道都であったが,道庁が釜山に移って以後衰退した。朝鮮戦争で被害を受けたが,近代都市に再建された。晋州平野の米,果実,牛の集散地で,織物,製紙,醸造などの工業がある。晋州城,義妓論介祠堂,晋州郷校などの史跡は著名。文禄・慶長の役の古戦場。33万7000人(2005)。

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