普門(読み)ふもん

精選版 日本国語大辞典の解説

あまねき‐かど【普門】

〘名〙 (仏語「普門(ふもん)」の訓読み)
観音などが、広く衆生を済度しようとする広大な慈悲の門。
※公任集(1044頃)「世を救ふうちには誰か入らざらむ普き門を人しささねば」
② 観音などをまつる寺をいう。
※浄瑠璃・心中二つ腹帯(1722)道行「女はいとど罪深く、従ふ道も忘れ水〈略〉あまねき門(カド)に立寄るも、爰ぞ一念重願寺、念彼観音の、力ぼし助け給へと諸共に、心をこめて願ひぼし」

ふ‐もん【普門】

[1] 〘名〙 (あまねくゆきわたっている門戸の意) 仏語。
① 諸宗により理解を異にし、天台宗では中道実相の理がすべてに妥当することをいい、真言宗では一切の智徳を収める大日如来をさしていう。
※性霊集‐六(835頃)右将軍於華山宅設左僕射大祥斎願文「金剛之普門、人法倶妙矣哉」
② 観世音菩薩が、広く衆生に救いの門を開いていること。
[2]
[一] 「ふもんぼん(普門品)」の略。
※雑談集(1305)七「此経は四要品肝心也、謂く方便〈発心〉安楽〈修行〉寿量〈菩提〉普門(フモン)〈涅槃〉」
[二] 鎌倉中期の臨済宗の僧。南禅寺派の祖。字は無関。勅諡は仏心禅師・大明国師。長野の人。栄朝・円爾弁円について禅を修め、四〇歳のときに入宋、荊叟如珏・断橋妙倫を師として悟りを究め、帰国後再び円爾弁円に随侍した。弘安四年(一二八一)東福寺第三世。正応四年(一二九一)亀山上皇の帰依を受けて南禅寺開山となる。建暦二~正応四年(一二一二‐九一

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世界大百科事典内の普門の言及

【無関普門】より

…鎌倉中期の臨済宗聖一(しよういち)派の僧。諱(いみな)は玄悟,房号を普門という。信濃国(長野県)に生まれた。…

※「普門」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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