数値計算や測定値の扱いなどで用いられる用語。その場合,与えられた数値は誤差を伴っている。したがって,その誤差の限界に応じて,その数値がどの桁まで信頼できるかがきまってくる。信頼できる桁で打ち切るのが意味のある数値の表示であり,この数字を有効数字という。たとえば,xを測定値,xを真の値とすればx-xが誤差で,|x-x|の最大が誤差の限界である。いまx=3.1415……なる値が得られ,誤差の限界が0.006であったとすれば,真の値xについて,
3.1355……<x<3.1475……
が成り立つ。これを見れば測定値を幾桁も書くのは意味がないことがわかる。実際はxとして3.14でとめておくのがよい。ただし,以後の計算で四捨五入などを考慮するときにはもう1桁余分に残して有効数字とすることがある。
執筆者:飛田 武幸
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近似値や測定値を十進(じっしん)記数法で表したとき、誤差を含む位より上の位にある有意義な数字(小数の場合の位取りを示すための0を除く)をいう。たとえば、1グラムまでの目盛りのついた秤(はかり)で、320グラムとなったときは、3、2、0が有効数字であるが、目盛りが10グラムまでで、いちばん近い目盛りを読んで320グラムとなったときは、誤差は最大限5グラムまであるから3、2が有効数字で、終わりの0は有効数字ではない。またミリメートルまでの目盛りのついた物差しで長さを測って0.024メートルとなったときは、初めの二つの0は有効数字でなく2、4が有効数字である。有効数字の桁(けた)数は、測定値や近似値の詳しさを示す目安となる。
なお、位取りを示すだけの0と、有効数字との区別をはっきりさせるためには、第一の例は3.20×102gと、第二の例は3.2×102gと、第三の例は2.4×10-3mというようにa×10n(aは1と10の間の数、nは整数)という書き方をする。
[島田 茂]
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…この例からもわかるように,誤差を考え合わせると近似値の後のほうの桁の数は意味をもたなくなる。近似値の中で,意味のある数字を有効数字という。を1.4142とした場合,有効数字は1.414になり,近似値が3.42で誤差の限界が0.1のとき,3が有効数字になる。…
※「有効数字」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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