デジタル大辞泉 「服する」の意味・読み・例文・類語 ふく・する【服する】 [動サ変][文]ふく・す[サ変]1 言われたとおりにする。従う。服従する。また、従わせる。「上長の命に―・する」「そうした論理は決して細君の心を―・するに足りなかった」〈漱石・道草〉2 ある仕事に就く。服務する。服役する。「労役に―・する」「刑に―・する」3 《「ぶくする」とも》喪の期間を過ごす。「喪に―・する」4 身につける。着る。「身に洋服を―・し口に洋食を食し」〈福沢・福翁百話〉5 《「ぶくする」とも》茶・薬などを飲む。服用する。「錠剤を―・する」[類語](1)従う・応ずる・則のっとる・則そくする・準ずる・倣ならう・拠よる・準拠する・依拠する/(5)飲む・喫する 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「服する」の意味・読み・例文・類語 ふく‐・する【服】 [ 1 ] 〘 自動詞 サ行変 〙 [ 文語形 ]ふく・す 〘 自動詞 サ行変 〙① あきらめて、または得心して従う。服従する。承服する。心服する。[初出の実例]「千万の傍敵ありといふとも、おのづから服せしむべし」(出典:平治物語(1220頃か)中)② ある仕事につく。従事する。[初出の実例]「雇傭は当事者の一方が相手方に対して労務に服することを約し」(出典:民法(明治二九年)(1896)六二三条)③ ( 「ぶくする」とも ) 喪(も)にこもる。喪に服する。[初出の実例]「娘のなくなりたりしふくすとて」(出典:赤染衛門集(11C中))④ おびる。持っている。[初出の実例]「まづと、御熱もふくしております。悪寒はござりませんか」(出典:咄本・喜美賀楽寿(1777)せんだん)[ 2 ] 〘 他動詞 サ行変 〙 [ 文語形 ]ふく・す 〘 他動詞 サ行変 〙① したがわせる。屈伏させる。服従させる。[初出の実例]「況や始皇は威を以て天下を服したほどに」(出典:史記抄(1477)七)② 身につける。着る。[初出の実例]「先王の法服にあらざれば服せずと」(出典:正法眼蔵(1231‐53)袈裟功徳)③ ( 「ぶくする」とも ) 茶、薬などを飲む。服用する。また、物を食う。[初出の実例]「極熱(ごくねち)の草薬をふくして、いとくさきによりなむ」(出典:源氏物語(1001‐14頃)帚木)「あやまりて毒薬を服(ブク)せり」(出典:妙一本仮名書き法華経(鎌倉中)六) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例