長谷山と号し、日蓮宗。同宗関東六ヵ寺の一で、三本三長の本山の一とされていた。本尊は大曼荼羅。文政三年(一八二〇)の平賀本土寺史要(寺蔵)によると、文永六年(一二六九)法華経に帰依した小目代蔭山土佐守が
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
千葉県松戸市平賀(ひらが)にある日蓮(にちれん)宗の本山。長谷(ちょうこく)山と号する。東京都大田区池上の長栄山本門寺、鎌倉市大町の長興山妙本寺とともに「朗門の三長三本(さんちょうさんぼん)」と称されている。1277年(建治3)日蓮の信者曽谷教信(そやきょうしん)は鼻和(はなわ)地蔵堂を改めて法華堂(ほっけどう)とし、日朗を開山に迎えたが、日朗は弟子日伝を派遣した。1309年(延慶2)千葉貞胤(さだたね)の夫人芝崎(教信の娘)から平賀の六郷を寄付されて繁栄、江戸初期は不受不施(ふじゅふせ)を唱えて身延(みのぶ)と対立した。ここは日朗門下九鳳(くほう)の一人である日像誕生の地で、境内に母の妙朗尼の墓、日像誕生井、日像師堂がある。数々の寺宝は8月16日の虫干会(むしぼしえ)に参観が許される。6月は境内いっぱいに植え込まれたアジサイがみごとで、俗に「あじさい寺」とよばれる。
[浅井円道]
…とりわけ日像(にちぞう),日伝(典)をはじめとする9人の優れた弟子があり,これを朗門の九鳳,九老僧とも呼んだ。日像は京都に弘通(ぐづう)して,京都日蓮宗の基礎を築き,日伝は下総平賀に本土寺をはじめた。日朗の系統を日朗門流,比企谷門流,のちに池上門流とも呼び,妙本寺,本門寺,本土寺の3寺はその拠点となっている。…
※「本土寺」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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