東京タワー(読み)とうきょうたわー

日本大百科全書(ニッポニカ) 「東京タワー」の意味・わかりやすい解説

東京タワー
とうきょうたわー

東京都港区のほぼ中央、芝公園(旧、増上寺(ぞうじょうじ)境内の一部)内にある総合電波塔。正式名称は日本電波塔。テレビ塔が林立するのを防ぐため、内藤多仲(たちゅう)(1886―1970)の設計で1958年(昭和33)12月に完成した。敷地2118平方メートル、高さ333メートルで、パリのエッフェル塔より9メートル高い。150メートルと250メートルの2か所に展望台があり、そこからの眺望はすばらしく、昼は関東平野、富士山が眺められ、夜は東京のあかりが美しく、東京の名所の一つとなっている。東京の全テレビ局が使用してきたが、2012年の東京スカイツリー開業に伴い、2013年5月、放送大学以外の地上デジタルテレビ放送7局の送信所がスカイツリーに移転した(東京タワーは予備電波塔となる)。鉄塔の脚下にある東京タワーフットタウンには、2階名店街、屋上遊園地などがある。なおタワー入口左手に安藤士(たけし)(1923―2019)制作の南極越冬隊に参加したカラフト犬の群像がある。2013年国の登録有形文化財となる。

沢田 清]

『東京電波塔研究会著『東京タワー99の謎――知らなかった意外な事実!』(二見文庫)』


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「東京タワー」の意味・わかりやすい解説

東京タワー
とうきょうタワー
Tokyo Tower

東京都港区芝公園にある放送用鉄塔。高さ 333m。1958年12月23日竣工。正方形断面をもった立体トラス鋼構造で,地上 145mと 150mに大展望台があり,250mの特別展望台は観光名所ともなっている。フランスエッフェル塔を目標として構想された。エッフェル塔が鉄材約 7300tを要したのに対し,東京タワーは約 3600tでできている。エッフェル塔竣工の約 70年後につくられたとはいえ,風が強く地震の多い悪条件下でこの所要鋼材重量の差が生じたのは,科学技術の進歩によるものとされている。放送施設のほか,高さをいかした公害調査のため,風向風速計硫黄酸化物測定器などが取り付けられた。2013年5月31日,地上デジタルテレビ放送の電波送信施設が東京スカイツリーに正式に切り替えられた。

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