東彼杵町(読み)ひがしそのぎちよう

日本歴史地名大系 「東彼杵町」の解説

東彼杵町
ひがしそのぎちよう

面積:七四・一六平方キロ

東彼杵郡の南東部、大村市の北に位置する。北西川棚かわたな町、東部は佐賀県藤津ふじつ嬉野うれしの町と接し、西部大村湾に臨む。北部の川棚町境に虚空蔵こくうぞう(六〇八・五メートル)高見たかみ(五三八・一メートル)などがあって彼杵川が流れる。南部に琴平ことひら(四九二・八メートル)遠目とおめ(八四九メートル)武留路むるろ(三四一・四メートル)飯盛いいもり(三三五・三メートル)などがあって塩鶴しおづる川・千綿ちわた川・くし川・くし川が西流する。海岸沿いにJR大村線と国道三四号(北部で東に折れる)・同二〇五号があり、長崎自動車道が通る。また南東部に主要地方道大村―嬉野線がある。海岸部は大村湾県立公園、山側は多良岳たらだけ県立公園のうちとなっている。

大野原おおのばるにある遠目遺跡ではナイフ形石器細石器が出土している。彼杵川と堀切ほりきり川の河口部にある弥生時代終末期から古墳時代初頭にかけての白井川しらいがわ遺跡は拠点的な集落と想定され、彼杵川河口部の前方後円墳であるひさごつか(彼杵古墳・瓢箪塚)では五世紀前半の有力層の存在がうかがえる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「東彼杵町」の意味・わかりやすい解説

東彼杵〔町〕
ひがしそのぎ

長崎県中部,大村湾東岸の町。 1959年彼杵町と千綿村が合体して発足。中心集落の彼杵はかつては大村湾南岸の時津と海路で結ばれ,長崎と上方とをつなぐ海路と陸路の分岐点で,重要な交通の要地であり,宿場町であった。現在は彼杵港の整備と臨海工場用地の造成が進められ,醸造業などの進出がみられる。主産業は農業で,茶,ミカン,米の生産が中心。米は千綿川,彼杵川の流域,茶は標高 200m以上の高原,ミカンは山麓一帯で栽培され,茶の歴史は古い。千綿川の峡谷は 8kmに及ぶ景勝地,大野原高原はハイキング地で,ともに多良岳県立自然公園に属し,海岸一帯は大村湾県立自然公園に属する。 JR大村線,国道 34号線,205号線が通り,長崎自動車道のインターチェンジがある。面積 74.29km2。人口 7721(2020)。

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