杵築(市)(読み)きつき

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

杵築(市)
きつき

大分県北東部、国東(くにさき)半島の南部にある市。別府湾に臨む。1955年(昭和30)杵築町と北杵築、八坂(やさか)、奈狩江(なかえ)の3村が合併して市制施行。2005年(平成17)山香町(やまがまち)、大田村(おおたむら)の1町1村を合併。市名は中世以来の木付(きつき)の地名によるが、杵築の字をあてるようになったのは、1712年(正徳2)に江戸幕府が藩に与えた朱印状に杵築と書いてあったことによる。JR日豊(にっぽう)本線、国道10号、213号が通じ、大分空港道路の杵築インターチェンジがある。旧杵築町は、中世木付氏が大友氏の北の守りとしてここに築城してから小城下町として発達した町。木付氏が1593年(文禄2)大友氏と運命をともにしたのちは、杵築藩(幕末は松平氏3万2000石)の城下町として発達した。杵築城は、八坂川と高山(たかやま)川に南北を限られる東西方向の台地の末端に、海を背にして築かれ、侍町は城に続く台地上に、寺町はその西隣に、町屋は同台地中央の開析谷と八坂川左岸にあった。いずれも旧観をよく残している。1970年天守閣が再建された。産業では米、ミカン、イグサ、茶、肉牛が主産物で、浅い守江(もりえ)湾ではノリ養殖が行われる。1980年代後半から大分県のテクノポリス計画の中核都市となり、エレクトロニクス産業が進出した。住吉浜(すみよしはま)の砂嘴(さし)は奈多八幡宮(なたはちまんぐう)のある奈多海岸とともに海水浴場で、諸リゾート施設がある。面積280.08平方キロメートル、人口3万0185(2015)。

[兼子俊一]

『『杵築市誌』(1968・杵築市)』


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