(読み)ユ

デジタル大辞泉 「柚」の意味・読み・例文・類語

ゆ【×柚】

ユズ。また、ユズの実。 秋 花=夏》一片の葉の真青なる―の実かな/蛇笏
三輪漬みつわづけは―の香ゆかしく」〈露伴五重塔

ゆ‐ず【×柚/×柚子】

ミカン科の常緑低木。また、その果実。枝にとげがあり、葉は長卵形で、柄に翼がある。初夏、白い5弁花が咲き、黄色い扁球形の実を結ぶ。果皮香気があり、調味料として用いる。中国原産。ゆう。ゆ。 秋》古家累々るいるいとして―黄なり/子規

ゆう〔イウ〕【×柚】

ユズの別名。

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精選版 日本国語大辞典 「柚」の意味・読み・例文・類語

ゆ‐ず【柚・柚子】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ミカン科の常緑小高木。中国の揚子江上流原産とされ、各地で栽培される。高さ約四メートル。枝に長いとげがある。葉は翼のある柄をもち長卵形で縁に鋸歯(きょし)がある。初夏、葉腋に純白色の小さな五弁花を一個ずつ開く。果実は扁球形で径四~八センチメートル、芳香があり黄色に熟す。果皮にはいぼ状の突起が多く果肉は淡黄色酸味が強い。果皮は香味料、マーマレードの原料に使われる。漢名に柚を用いるが、これは別種の名で、中国では蟹橙・香橙をあてる。ゆずのき。ゆう。ゆ。《 季語・秋 》

▼ゆずの花《 季語・夏 》 〔俳諧・手挑灯(1745)〕

  1. 醜女(しこめ)のこと。
    1. [初出の実例]「柚へ来る蜜柑の皮はそれ矢也」(出典:雑俳・柳多留‐八八(1825))

ゆ【柚】

  1. 〘 名詞 〙 植物「ゆず(柚)」の異名。また、ユズの実。

▼ゆの花《 季語・夏 》 〔二十巻本和名抄(934頃)〕

  1. [初出の実例]「あしげなるゆや梨やなどを」(出典:蜻蛉日記(974頃)上)

ゆうイウ【柚】

  1. 〘 名詞 〙ゆず(柚)色葉字類抄(1177‐81)〕
    1. [初出の実例]「柚(ユウ)をやきてまいれとて」(出典:咄本・百物語(1659)下)

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普及版 字通 「柚」の読み・字形・画数・意味


人名用漢字 9画

[字音] ユウ(イウ)・ジク(ヂク)
[字訓] ゆず

[説文解字]

[字形] 形声
声符は由(ゆう)。〔説文〕六上に「條(ゆず)なり。橙(だいだい)に似て酢し」とあり、香味の強いものである。〔書、禹貢〕に「厥(そ)の貢ぎ物)は橘柚(きついう)」とあり、揚州特産であった。〔呂覧、本味〕に「雲(うんぼう)の柚」の名をあげている。軸の音でよむときは、杼柚(じよじく)をいう。

[訓義]
1. ゆず。
2. 織機のたてまき。

[古辞書の訓]
和名抄〕柚 爾に云ふ、柚、一名なりと。由(ゆ)と訓す 〔立〕柚 エダサシ・ユ・エダサキ

[熟語]
柚子・柚梧・柚皮
[下接語]
橘柚・湘柚・楚柚・霜柚・橙柚・緑柚

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

動植物名よみかた辞典 普及版 「柚」の解説

柚 (ユズ・イウ;イノス;ユ;ユウ)

学名:Citrus junos
植物。ミカン科の常緑小低木,園芸植物,薬用植物

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

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